ヴァンパイアヒューマン−桜−
『そうですか。では…』
ラッセルは自分の荷物の中から寝袋を取り出した。
『ミーナ様、ハート。お二人はこれで寝てください』
ラッセルは寝袋を二人に手渡した。
『えっ?ラッセルは?』
ミーナは寝袋を受け取り尋ねた。
『俺は二人が寝ている間、変な奴らが近づかないように見張っておきます』
そう言って、ラッセルは自慢の大きなこん棒を手に大きな岩の上に座り、眠気を覚ます意味も込めて、頬っぺたを両手で叩いて気合いを入れた。
『ラッセル…ありがとう。でも、いつでも見張りは交代するから眠くなったら起こしてね』
ミーナはそう言って、ハートと一緒に寝袋に入った。
ミーナとハートが眠る間、ラッセルは見張りを続けた。