ヴァンパイアヒューマン−桜−
夜も深まる頃、寝息をたて眠るミーナとハート。
長く歩き、疲れがたまっていたラッセルは、岩の上であぐらをかきながらうつらうつらと寝そうになっていた。
そんな3人の所に、一人の少年がキョロキョロと辺りを見回しながら、コソコソとやってきた。
少年はうつらうつらしているラッセルを横目に、ミーナたちの荷物を静かにあさりはじめた。
その気配に気付いたラッセルがハッと目を覚ました。
『誰だ!!』
ラッセルは少年を見つけて怒鳴った。
少年は慌ててその場から逃げ出そうとした。
『待てー!!』
ラッセルは大きな自分の体を俊敏に走らせ、少年を追いかけた。
そのラッセルの声と物音に気付いたミーナとハートは目を覚まし、寝袋から起きあがった。