ヴァンパイアヒューマン−桜−
『ラッセル…』
ミーナは目を擦りながらラッセルを捜した。
『ミーナ様、一体何が…』
ハートは目を擦りながら、状況をミーナに尋ねた。
すると、状況のわからない二人の元にラッセルが戻って来た。
戻って来たラッセルは、右腕で捕まえた少年をしっかり抱え込んでいた。
『放せよ!!おい、放せって言ってんだろ!!』
少年はラッセルの腕の中で、ジタバタもがき暴れていた。
『ラッセル、その子は誰?』
ミーナは不思議そうに尋ねた。
『暴れるな小僧!!』
ラッセルは荷物の中から長いロープを取り出し、少年を岩にくくりつけた。
『何すんだよ、オッサン!!』
少年は大声をあげていた。