ヴァンパイアヒューマン−桜−
『何してるの?ラッセル。子供が可哀相よ』
そう言って、ハートは少年のロープをほどこうとした。
『ほどくなハート。コイツは我々が眠っている間に、我々の荷物をあさっていやがったんだ。小さいながら立派な泥棒だ』
ラッセルはそう言って、少年をにらみつけた。
『えっ!?本当に?』
ハートは驚いた表情を見せた。
『本当だ。しかも、ほら…コイツは我々の金品をちゃっかりと盗みやがったんだ』
そう言って、ラッセルは少年に盗まれた金品をハートとミーナに見せた。
『どうやら本物の泥棒みたいね。子供なのに侮れないわね』
ハートは軽蔑するような目で少年を見た。
そんなラッセルとハートを横目に、ミーナは少年に近づいた。