ヴァンパイアヒューマン−桜−
『おい、ロープをほどけよ!!』
少年は叫びながら暴れてまくっていた。
そんな少年に近づいたミーナはロープをほどいた。
『あ、ミーナ様。何をやってるんですか!!』
ロープをほどいたミーナを見て、ラッセルは驚いた。
『人が何かをするとき、そこには絶対何かしらの理由があるわ。この子が泥棒を働いたのにもきっと理由があるはず。ね、そうよね?』
ミーナは少年を見ながら優しい笑顔で尋ねた。
『り、理由なんてないやい!!それに俺は泥棒じゃなくて、盗賊だい!!』
それだけ言って、少年はその場から颯爽と逃げ出した。
『あ、こら!!待て小僧!!』
ラッセルは逃げ出した少年を追いかけようとした。