ヴァンパイアヒューマン−桜−
『あ、ハート…ごめん、起こしちゃった?』
ミーナは目を擦るハートを気遣った。
『いえ、そんなことはありませんよ』
ハートは笑顔で答えた。
『そう…なら良かった…』
ミーナは笑顔でそう言って、ベランダから外の景色を見つめた。
『ミーナ様、どうかなされましたか?』
ハートは物思いにふけているミーナを気にかけた。
『ねぇ、ハート。あたしね…あたし、この所ずっと同じような夢をよく見るの…』
ミーナはそっと話し出した。
『夢…ですか?』
ハートは不思議そうに尋ねた。
『うん…何だかよくわからないんだけど、綺麗な女の人と長身の男の人が出て来るの…』
ミーナは考え込みながら言った。