ヴァンパイアヒューマン−桜−
★さくらの頃★
『ルンルン♪』
白いドレスを着た長いウェーブのかかった金髪の女性が、花々が咲き乱れている野原の真ん中に立つ一本の桜の木の下で、鼻歌を口ずさみながら花の冠を作っていた。
そんな女性の前にヒラヒラと一匹の黄色い蝶々がやってきた。
ウェーブのかかった金髪の女性は、人差し指をそっと前に差し出した。
すると黄色い蝶々は金髪の女性の人差し指にヒラリと止まった。
『あなたは私の事が恐くないの?』
金髪の女性は黄色い蝶々を見つめながら尋ねた。
すると、黄色い蝶々は小さな羽をバタつかせた。
まるで金髪の女性の言葉に答えるかのように。
それを見た金髪の女性はクスッと笑った。