ヴァンパイアヒューマン−桜−
『サラ…覚えていてくれたんだ、ありがとう』
ウィルは笑顔で答えた。
『ウフフ、どういたしまして』
サラは満面の笑みを零した。
『ねぇ、ウィル…』
そう言って、サラは頭の上に咲く桜を見上げた。
『何だい、サラ?』
ウィルは桜を見つめるサラの横顔を見つめた。
『あと…あと何回ウィルと一緒にこの桜を見ることができのかな?』
そう告げるサラは、寂しそうな表情を見せた。
『えっ?急に一体どうしたんだい?』
ウィルは寂しそうなサラの表情を見て少し心配した。
『ウィルとこうして一緒にいる事が私にとっての1番の幸せ。でも幸せが永遠に続くことなんてなくて…だからいつかこの幸せが壊れる事が怖いの…』
サラはそう言って、唇を噛み締めた。