魔王と王女の物語②-Chain of destiny-【完】
コハクが自分のことを最優先に考えてくれるので、また嬉しくなったラスは、四精霊が飛び回るクリスタルパレスの気温がぐんぐん上がり、どんどん氷が溶けていくのを空中庭園からリアルタイムで見て感動していた。
唯一魔法を使えるコハクがすごい魔法使いだというのは知っているのだが、どの位すごいのかは正直よくわかっていなかった。
比べる対象が居ないからだ。
だが小さな頃に絵本で見た四精霊や妖精たちが、生半可に人間に従うような存在ではないことは知っている。
そんな彼女たちを平然とした顔で従わせるコハク――
「ん?チビ、どした?寒いのか?」
「ううん、大丈夫。コー、マントの中に入ってもいい?」
「来い来い、あっためてやる。見ろよチビ」
コハクが差した場所には氷の呪縛から解かれた人々が横たわり、グリーンリバーから駆けつけてきたコハクの手によって改造された魔物たちが彼らを担架に乗せ、どこかへと運んでいた。
「凍ってた人たちをどうするの?」
「火葬して、墓を作る。集団墓地の穴を掘らせている途中だし、蜥蜴共の火力ならあっという間だ」
「私も穴を掘りたいな。何かできないかな」
マントの中にラスを抱き込んで抱きしめてやりながら、その発言に対しては猛反対。
「駄目だぞ、手にまめができたらどうすんだ!…まあ俺がぺろぺろして治してやるけどー」
ラスからは見えないのでついにやにやしてしまったが、ラスは真剣に何かできないものかと考えていたようだったので、ぱちんと指を鳴らすと、掌に花の種を出現させてラスに見せた。
「お花の種…?」
「空中庭園の花壇はまだ凍り付いたままだし、そいつらと協力して種を植えろよ。俺からは絶対離れちゃ駄目!お前らはチビに触んなよ、触ったらひどい目に遭わせるからな」
「は、はいっ!」
明らかに悪魔面の強面な4匹の魔物たちが恐れ戦きながら返事をすると、ラスはスコップと火蜥蜴を手にしてかちんこちんの花壇の前に立ち、火蜥蜴の口を縛っている縄を解いた。
「お願いね、蜥蜴さん」
何か手伝えることができて、ラス奮起。
唯一魔法を使えるコハクがすごい魔法使いだというのは知っているのだが、どの位すごいのかは正直よくわかっていなかった。
比べる対象が居ないからだ。
だが小さな頃に絵本で見た四精霊や妖精たちが、生半可に人間に従うような存在ではないことは知っている。
そんな彼女たちを平然とした顔で従わせるコハク――
「ん?チビ、どした?寒いのか?」
「ううん、大丈夫。コー、マントの中に入ってもいい?」
「来い来い、あっためてやる。見ろよチビ」
コハクが差した場所には氷の呪縛から解かれた人々が横たわり、グリーンリバーから駆けつけてきたコハクの手によって改造された魔物たちが彼らを担架に乗せ、どこかへと運んでいた。
「凍ってた人たちをどうするの?」
「火葬して、墓を作る。集団墓地の穴を掘らせている途中だし、蜥蜴共の火力ならあっという間だ」
「私も穴を掘りたいな。何かできないかな」
マントの中にラスを抱き込んで抱きしめてやりながら、その発言に対しては猛反対。
「駄目だぞ、手にまめができたらどうすんだ!…まあ俺がぺろぺろして治してやるけどー」
ラスからは見えないのでついにやにやしてしまったが、ラスは真剣に何かできないものかと考えていたようだったので、ぱちんと指を鳴らすと、掌に花の種を出現させてラスに見せた。
「お花の種…?」
「空中庭園の花壇はまだ凍り付いたままだし、そいつらと協力して種を植えろよ。俺からは絶対離れちゃ駄目!お前らはチビに触んなよ、触ったらひどい目に遭わせるからな」
「は、はいっ!」
明らかに悪魔面の強面な4匹の魔物たちが恐れ戦きながら返事をすると、ラスはスコップと火蜥蜴を手にしてかちんこちんの花壇の前に立ち、火蜥蜴の口を縛っている縄を解いた。
「お願いね、蜥蜴さん」
何か手伝えることができて、ラス奮起。