魔王と王女の物語②-Chain of destiny-【完】
「これを…ティアラが?」
ソファに座っていたリロイは肩口まで見える白のセーターと白の細身のパンツ姿で、首から肩のラインがティアラにはものすごくセクシーに見えて、両手で顔を覆った。
「そうなの。ね、リロイっ、食べてみてっ」
うずうずしているラスを見上げ、皿から香ばしい匂いのするクッキーをひとつ手にとると、同じくソファに座ってにまにま笑っていたローズマリーに声をかけた者が在った。
「ローズマリー、少し話をしませんか」
「あら何でも屋さんだわ。じゃあ失礼するわね」
ひょいとクッキーを1枚口に入れて身体から湯気が出そうなティアラの頭を撫でると、ラスも2人に手を振った。
「今頃コーが暴れてるかもしれないから、私も行くね」
「ラス、ま、待って…」
だがラスは呼び止めるティアラににっこり笑いかけると部屋から出て行き、2人だけになると、リロイがクッキーを見つめ、ぱくりと食べた。
「美味しいです。実は甘いものが大好きなんですけど、ちょうどいい甘さだ」
「べ、別にあなたのために作ったわけではないんですけど…ラスが…」
「ええ、わかります。ラスが仕向けたことだろうなって思ってたけど、やっぱりそうでしたね」
――ラスの名を呼ぶ時、まだ愛情がひしひしとこもっているのが感じられる。
いつもやわらかくて優しい雰囲気のリロイに緊張を和らげられると、真向かいに座ってクッキーをパクつくリロイをじっと見つめた。
「ろ、ローズマリーとは…どんな話を?」
「え?あー…とりとめのない雑談ですよ。それよりティアラ…」
「え?え…!?」
リロイが隣に移動してくるとじっと見つめられてしまい、少し垂れ目の金色の瞳の中に自分の顔が映っていて、細い指がゆっくり伸びて来て…
身体に力をこめてぎゅっを瞳を閉じると、口の端に触れ、それを見せてくれた。
「味見をした時についたのかな、クッキーがついてましたよ」
「あ…ごめんなさい、はしたない…!」
「魔王みたいに舐めて取った方がよかったですか?」
「…え!?」
まさかそんな冗談を言うとは思ってなかったのでフリーズしていると…長い間、笑われ続けた。
ソファに座っていたリロイは肩口まで見える白のセーターと白の細身のパンツ姿で、首から肩のラインがティアラにはものすごくセクシーに見えて、両手で顔を覆った。
「そうなの。ね、リロイっ、食べてみてっ」
うずうずしているラスを見上げ、皿から香ばしい匂いのするクッキーをひとつ手にとると、同じくソファに座ってにまにま笑っていたローズマリーに声をかけた者が在った。
「ローズマリー、少し話をしませんか」
「あら何でも屋さんだわ。じゃあ失礼するわね」
ひょいとクッキーを1枚口に入れて身体から湯気が出そうなティアラの頭を撫でると、ラスも2人に手を振った。
「今頃コーが暴れてるかもしれないから、私も行くね」
「ラス、ま、待って…」
だがラスは呼び止めるティアラににっこり笑いかけると部屋から出て行き、2人だけになると、リロイがクッキーを見つめ、ぱくりと食べた。
「美味しいです。実は甘いものが大好きなんですけど、ちょうどいい甘さだ」
「べ、別にあなたのために作ったわけではないんですけど…ラスが…」
「ええ、わかります。ラスが仕向けたことだろうなって思ってたけど、やっぱりそうでしたね」
――ラスの名を呼ぶ時、まだ愛情がひしひしとこもっているのが感じられる。
いつもやわらかくて優しい雰囲気のリロイに緊張を和らげられると、真向かいに座ってクッキーをパクつくリロイをじっと見つめた。
「ろ、ローズマリーとは…どんな話を?」
「え?あー…とりとめのない雑談ですよ。それよりティアラ…」
「え?え…!?」
リロイが隣に移動してくるとじっと見つめられてしまい、少し垂れ目の金色の瞳の中に自分の顔が映っていて、細い指がゆっくり伸びて来て…
身体に力をこめてぎゅっを瞳を閉じると、口の端に触れ、それを見せてくれた。
「味見をした時についたのかな、クッキーがついてましたよ」
「あ…ごめんなさい、はしたない…!」
「魔王みたいに舐めて取った方がよかったですか?」
「…え!?」
まさかそんな冗談を言うとは思ってなかったのでフリーズしていると…長い間、笑われ続けた。