魔王と王女の物語②-Chain of destiny-【完】
バスルームでラスの髪を丁寧に洗ってやり、丁寧に身体を擦ってやり、少し元気のないラスを限りなく優しい声を出して励ました。
「どうしたんだよチビ。俺にどうしてほしい?言ってみろって」
「…別々の部屋はやだ」
「グラースが気を使って部屋を譲ってくれたんだぜ。ま、ここはゴールドストーン王国じゃねえし、また戻って来てもらうか?あいつにゃまた眠れねえ日々が続くだろうけど」
「どうして眠れないの?」
「だってさあ……まあいいや、とにかく俺とチビはいっつも一緒の部屋だから泣くなって。ほら、洗い流すから耳塞いでろよ」
言われるがままに両耳を塞ぐと頭上から盛大にシャワーで泡を洗い流し、ぴかぴかになったラスを抱っこすると一緒にバスタブに入った。
「急にどうした?元気ねえし心配なんだけど」
頭を撫で、頬を撫で、口数の少ないラスの気を引こうとあくせくしていると、ラスは自分自身の影を見下ろして話しかけてきた日々を思い出し、コハクの首に抱き着いた。
「コーが私の影だった時の方がよかった。そしたら絶対離れられないでしょ…?」
「な、なーに可愛いこと言ってんだお前は!爆発するだろが!」
「だって…!置いてかれると思って…」
「ないないない、それはない!俺はチビのストーカーなんだから、いやって言ったって傍に居るんだからな。わかったか?」
「…うん…。コー、早く赤ちゃんできるといいね、私、沢山頑張るから沢山頑張ってね?」
「……無理!もう無理無理無理!」
――極限にまで耐えていたのに、あっさりと理性を崩壊させられてしまい、ラスを抱っこして指を鳴らすとバスタオルがラスの身体に巻き付き、何度もキスをしながらベッドへと移動した。
「小悪魔め、俺を簡単にコーフンさせられるのはチビだけなんだからな」
「コーはずっと私だけの勇者様なんだから…ずっと傍に居てくれないと勇者様じゃないんだからね」
ゆっくりとラスを押し倒し、覆い被さりながらまた潤みだした瞳を至近距離から覗き込むと瞼にキスをした。
「わかってるって。チビこそ他の男にいい顔すんなよ」
――そしてそれが、最後となる。
「どうしたんだよチビ。俺にどうしてほしい?言ってみろって」
「…別々の部屋はやだ」
「グラースが気を使って部屋を譲ってくれたんだぜ。ま、ここはゴールドストーン王国じゃねえし、また戻って来てもらうか?あいつにゃまた眠れねえ日々が続くだろうけど」
「どうして眠れないの?」
「だってさあ……まあいいや、とにかく俺とチビはいっつも一緒の部屋だから泣くなって。ほら、洗い流すから耳塞いでろよ」
言われるがままに両耳を塞ぐと頭上から盛大にシャワーで泡を洗い流し、ぴかぴかになったラスを抱っこすると一緒にバスタブに入った。
「急にどうした?元気ねえし心配なんだけど」
頭を撫で、頬を撫で、口数の少ないラスの気を引こうとあくせくしていると、ラスは自分自身の影を見下ろして話しかけてきた日々を思い出し、コハクの首に抱き着いた。
「コーが私の影だった時の方がよかった。そしたら絶対離れられないでしょ…?」
「な、なーに可愛いこと言ってんだお前は!爆発するだろが!」
「だって…!置いてかれると思って…」
「ないないない、それはない!俺はチビのストーカーなんだから、いやって言ったって傍に居るんだからな。わかったか?」
「…うん…。コー、早く赤ちゃんできるといいね、私、沢山頑張るから沢山頑張ってね?」
「……無理!もう無理無理無理!」
――極限にまで耐えていたのに、あっさりと理性を崩壊させられてしまい、ラスを抱っこして指を鳴らすとバスタオルがラスの身体に巻き付き、何度もキスをしながらベッドへと移動した。
「小悪魔め、俺を簡単にコーフンさせられるのはチビだけなんだからな」
「コーはずっと私だけの勇者様なんだから…ずっと傍に居てくれないと勇者様じゃないんだからね」
ゆっくりとラスを押し倒し、覆い被さりながらまた潤みだした瞳を至近距離から覗き込むと瞼にキスをした。
「わかってるって。チビこそ他の男にいい顔すんなよ」
――そしてそれが、最後となる。