魔王と王女の物語②-Chain of destiny-【完】
姫君たちの競争
美味しそうな匂いがして、それで目が覚めた。
本当は早起きをしてコハクに朝食を作ってあげたかったのだが、昨晩は沢山愛されて疲れ果ててしまい、ぼうっとしながら起き上がると、テーブルには豪華絢爛な朝食が並んでいた。
そして何よりも…朝食よりも、コハクの格好が目を引いた。
「コー…」
「お?起きたか、朝食できてるから食えよ。ふふふ、俺は飯も作れる完璧な男!俺って天才」
相変わらず自画絶賛なコハクは、長袖の黒いシャツと、腰骨が見えるほどに股の浅いぴったりとした黒いパンツ…。編み込みの黒いショートブーツ…そして、マントは無し。
いつもはマント姿なのであまり見慣れず、細くて均整のとれた身体をさらしているコハクに…違和感を感じた。
「マントはどうしたの?なんだか見慣れないよ」
「そっか?まあ今日はサービスしとかないとな」
「?何を?」
「すぐわかるって。ほら、熱いうちに食えよ。食わしてやろうか?」
相変わらず至れり尽くせりな魔王はラスを姫抱っこすると椅子に座り、人形遊びをするようにラスに紅茶を飲ませた。
「苺が入ってる…美味しいっ」
「ぜーんぶチビの好きなものにしといたぜ。チョコクロワッサンも好きだろ?」
「大好きっ。コーにも食べさせてあげる」
「ん、サンキュ」
いちゃいちゃでれでれしていると――コハクがぴくりと顔を上げた。
ラスはリスのように両手でクロワッサンを持って夢中で食べていて、コハクはラスを抱っこしたまま立ち上がり、バルコニーに出て空を見上げた。
「チビ、昨日俺が言ってた協力者たちが来たぞ」
「駄目だよコー、私ガウンしか着てな…」
「いいって気にすんな。チビ、仲良くな」
「うん、わかった」
2年前旅をしていた馬車が円を描くようにしてバルコニーに近づき、そして勢いよくドアが開いて姿を見せたのは…
「コハク様!お会いしたかった!」
「コハク様…お声をかけて下さり、光栄です…!」
「私…夢から覚めました。コハク様、お手伝いさせて下さい!」
「え…?スノウと…エリノアと…レイラ…?」
…コハクのかつての情人たちだった。
本当は早起きをしてコハクに朝食を作ってあげたかったのだが、昨晩は沢山愛されて疲れ果ててしまい、ぼうっとしながら起き上がると、テーブルには豪華絢爛な朝食が並んでいた。
そして何よりも…朝食よりも、コハクの格好が目を引いた。
「コー…」
「お?起きたか、朝食できてるから食えよ。ふふふ、俺は飯も作れる完璧な男!俺って天才」
相変わらず自画絶賛なコハクは、長袖の黒いシャツと、腰骨が見えるほどに股の浅いぴったりとした黒いパンツ…。編み込みの黒いショートブーツ…そして、マントは無し。
いつもはマント姿なのであまり見慣れず、細くて均整のとれた身体をさらしているコハクに…違和感を感じた。
「マントはどうしたの?なんだか見慣れないよ」
「そっか?まあ今日はサービスしとかないとな」
「?何を?」
「すぐわかるって。ほら、熱いうちに食えよ。食わしてやろうか?」
相変わらず至れり尽くせりな魔王はラスを姫抱っこすると椅子に座り、人形遊びをするようにラスに紅茶を飲ませた。
「苺が入ってる…美味しいっ」
「ぜーんぶチビの好きなものにしといたぜ。チョコクロワッサンも好きだろ?」
「大好きっ。コーにも食べさせてあげる」
「ん、サンキュ」
いちゃいちゃでれでれしていると――コハクがぴくりと顔を上げた。
ラスはリスのように両手でクロワッサンを持って夢中で食べていて、コハクはラスを抱っこしたまま立ち上がり、バルコニーに出て空を見上げた。
「チビ、昨日俺が言ってた協力者たちが来たぞ」
「駄目だよコー、私ガウンしか着てな…」
「いいって気にすんな。チビ、仲良くな」
「うん、わかった」
2年前旅をしていた馬車が円を描くようにしてバルコニーに近づき、そして勢いよくドアが開いて姿を見せたのは…
「コハク様!お会いしたかった!」
「コハク様…お声をかけて下さり、光栄です…!」
「私…夢から覚めました。コハク様、お手伝いさせて下さい!」
「え…?スノウと…エリノアと…レイラ…?」
…コハクのかつての情人たちだった。