魔王と王女の物語②-Chain of destiny-【完】
リロイ組とオーディン組とはグリーンリバーで合流した。
ちょうどラスたちも着いたところで、どうやら何か所も回ったらしく、少し疲れた様子のリロイのマントをくいくいと引っ張って注意を向けさせると、にこっと笑いかけた。
「リロイ、お疲れ様。今日はどうだったの?」
「みんな話を聴いてくれたよ。ティアラが頑張ってくれたおかげで特に男の人たちからは関心を得たかな」
「そ、そんなことありませんっ。リロイこそ女の子に囲まれて…」
「ふうん」
もじもじし合うリロイとティアラににやつきが止まらないラスは口元を緩めながら今度はローブを脱いで埃を落としているローズマリーの腕に抱き着いた。
「ローズマリーはどうだったの?」
「ええ、多分沢山見学に来ると思うわ。その時はラス王女にも接待してもらおうかしら」
「うん、わかった。みんなとお話してみたいし、クリスタルパレスに住んでもらいたいから頑張るね」
にこりと笑ったローズマリーが少し咳き込みながら中央の螺旋階段を上がると、ラスは何も言わずに隣のコハクを見上げた。
「お師匠の病気は永遠に治らねんだ。不死になる前に患った病みたいでさ。チビは持病とかなかったよな?」
「うん、ないよ。お薬足りてないのかな…コー、また沢山作ってあげてね」
「オッケ。じゃあお前らは2階の客間を使え。夜まで自由行動。飯の用意ができたら声をかけに行かせる」
「はい」
3人が返事をし、ラスがティアラと話しこんでいる間にスノウがコハクに近寄り、背中にひそりと声をかけた。
「ディナーが終わったら…忘れないで下さいね」
「ちっ、うるせえな、わかってるっつーの。…チビには言うなよ」
「もちろん。ふふふ」
「コー、行こ」
「はいはーい。よいしょー」
長い腕が伸びてラスを攫うと、ラスはコハクの真っ黒な髪に指を潜らせて頭にキスをした。
「な、ちょ、えっ!?」
「今日も沢山頑張ってくれたからご褒美」
「や、ご褒美はまた別に貰うんだけど。…なんか照れる!照れた!俺顔赤くね?」
照れまくる…いや、デレまくる魔王は密かにため息をついた。
ちょうどラスたちも着いたところで、どうやら何か所も回ったらしく、少し疲れた様子のリロイのマントをくいくいと引っ張って注意を向けさせると、にこっと笑いかけた。
「リロイ、お疲れ様。今日はどうだったの?」
「みんな話を聴いてくれたよ。ティアラが頑張ってくれたおかげで特に男の人たちからは関心を得たかな」
「そ、そんなことありませんっ。リロイこそ女の子に囲まれて…」
「ふうん」
もじもじし合うリロイとティアラににやつきが止まらないラスは口元を緩めながら今度はローブを脱いで埃を落としているローズマリーの腕に抱き着いた。
「ローズマリーはどうだったの?」
「ええ、多分沢山見学に来ると思うわ。その時はラス王女にも接待してもらおうかしら」
「うん、わかった。みんなとお話してみたいし、クリスタルパレスに住んでもらいたいから頑張るね」
にこりと笑ったローズマリーが少し咳き込みながら中央の螺旋階段を上がると、ラスは何も言わずに隣のコハクを見上げた。
「お師匠の病気は永遠に治らねんだ。不死になる前に患った病みたいでさ。チビは持病とかなかったよな?」
「うん、ないよ。お薬足りてないのかな…コー、また沢山作ってあげてね」
「オッケ。じゃあお前らは2階の客間を使え。夜まで自由行動。飯の用意ができたら声をかけに行かせる」
「はい」
3人が返事をし、ラスがティアラと話しこんでいる間にスノウがコハクに近寄り、背中にひそりと声をかけた。
「ディナーが終わったら…忘れないで下さいね」
「ちっ、うるせえな、わかってるっつーの。…チビには言うなよ」
「もちろん。ふふふ」
「コー、行こ」
「はいはーい。よいしょー」
長い腕が伸びてラスを攫うと、ラスはコハクの真っ黒な髪に指を潜らせて頭にキスをした。
「な、ちょ、えっ!?」
「今日も沢山頑張ってくれたからご褒美」
「や、ご褒美はまた別に貰うんだけど。…なんか照れる!照れた!俺顔赤くね?」
照れまくる…いや、デレまくる魔王は密かにため息をついた。