魔王と王女の物語②-Chain of destiny-【完】
「コー、待って、ま…、ん…、ん…っ」
コハクのキスに応えたが…ここまで強く求められるとは――
――数分もの長いキスを交わし、口の中がからからになってもなおコハクは求め、金の髪に指を潜らせて強く抱き寄せた。
…少し斜めなコハクの綺麗な顔をこんなに近くで見たのも久しぶりのような気がする。
いつもは“やめて”とお願いすればすぐに聞き入れてくれるのに、胸を押しても身を引こうとしても、許してはくれなかった。
その強引さに惹かれ、逃れようとしてもどこまでも追って来る舌にすぐに絡め取られ、ラスの身体から力が抜けた。
「コー、お願い、待って、も…駄目…」
「ごめん、もう我慢できね…。チビ…1ケ月待った。まだか?まだかかりそうか?」
「わかんな…、コー、やだ、お尻が…」
「むずむず?」
言い当てられて顔が赤くなると、ラスを抱っこしたままベンチに座り、完全に氷が溶けて暖かくなった空中庭園の屋上から春風を浴びて髪を揺らしながら、問うた。
「離れてみて…何かわかったか?」
「…コーは?私と離れてみて…どうだった?」
逆にラスに問われ、コハクは白い歯を見せてラスにしか見せない笑顔を浮かべながらお尻をぺろんと撫でた。
「チビがもっと可愛く見えるようになった。チビはどうだ?」
「私も…コーがかっこよく見えて…触りたいなって思ったよ。でもまだもうちょっと…」
「ん、待つ。時々でいいからこうして…キスしたり触ったりしていいか?」
だんだん要求がエスカレートしていき、ラスは笑いを誘われながらコハクの瞼にキスをして、魔王、有頂天。
「時々なら。手を繋いでお散歩したりしよ。ねっ」
「わかった。あーあ、まだまだ我慢しなきゃいけねえのかあ。もっとチビを触りたいんだけどなあ」
がっかりな声を上げながらもこの1ケ月はハグ以外ほとんど触れ合うことはできなかったので、これは大きな1歩とも言える。
なんとかラスの“ままごとごっこ”を聞き入れ、別れる前にもう1度、今度は可愛らしい小さなキスを交わし、抱き合う。
――それを気配を殺して見つめていた男がひとり。
「そろそろですかねえ」
独りごちる。
コハクのキスに応えたが…ここまで強く求められるとは――
――数分もの長いキスを交わし、口の中がからからになってもなおコハクは求め、金の髪に指を潜らせて強く抱き寄せた。
…少し斜めなコハクの綺麗な顔をこんなに近くで見たのも久しぶりのような気がする。
いつもは“やめて”とお願いすればすぐに聞き入れてくれるのに、胸を押しても身を引こうとしても、許してはくれなかった。
その強引さに惹かれ、逃れようとしてもどこまでも追って来る舌にすぐに絡め取られ、ラスの身体から力が抜けた。
「コー、お願い、待って、も…駄目…」
「ごめん、もう我慢できね…。チビ…1ケ月待った。まだか?まだかかりそうか?」
「わかんな…、コー、やだ、お尻が…」
「むずむず?」
言い当てられて顔が赤くなると、ラスを抱っこしたままベンチに座り、完全に氷が溶けて暖かくなった空中庭園の屋上から春風を浴びて髪を揺らしながら、問うた。
「離れてみて…何かわかったか?」
「…コーは?私と離れてみて…どうだった?」
逆にラスに問われ、コハクは白い歯を見せてラスにしか見せない笑顔を浮かべながらお尻をぺろんと撫でた。
「チビがもっと可愛く見えるようになった。チビはどうだ?」
「私も…コーがかっこよく見えて…触りたいなって思ったよ。でもまだもうちょっと…」
「ん、待つ。時々でいいからこうして…キスしたり触ったりしていいか?」
だんだん要求がエスカレートしていき、ラスは笑いを誘われながらコハクの瞼にキスをして、魔王、有頂天。
「時々なら。手を繋いでお散歩したりしよ。ねっ」
「わかった。あーあ、まだまだ我慢しなきゃいけねえのかあ。もっとチビを触りたいんだけどなあ」
がっかりな声を上げながらもこの1ケ月はハグ以外ほとんど触れ合うことはできなかったので、これは大きな1歩とも言える。
なんとかラスの“ままごとごっこ”を聞き入れ、別れる前にもう1度、今度は可愛らしい小さなキスを交わし、抱き合う。
――それを気配を殺して見つめていた男がひとり。
「そろそろですかねえ」
独りごちる。