魔王と王女の物語②-Chain of destiny-【完】
ようやくリロイを赦す気になれたのは、コハクが生きているということを知ったからだ。
それと…リロイが魔法剣に宿った水晶に操られていたということ。
本意ではなかったことを知り、少しでも早くコハクのことを忘れて幸せにしてくれようとしていたことを知り、リロイの金の髪に指を潜らせた。
「ありがとうラス…。君のために、君がまた影と会えるように僕も協力するから」
「うん。2年も無視してごめんね。あと私…リロイのお嫁さんには…」
「…うん、それもわかってるから。僕には君を幸せにする資格なんかなかったんだ。本当にごめんね、ラス…」
ベルルやオーディンからの突き刺す視線を感じながらリロイが身体を起こしてラスを離すと、ラスはバルコニーを飛び出て庭に裸足で降り立つと、視線を下げて影を見つめた。
「あのねコー、みんなが協力してくれるの。だからもうちょっと待っててね。コー…」
「さあラス王女、あなたは旅の支度をしなければ。あなたしかできない旅を」
「うん。その前にお父様にご報告を…」
「私のプリンセス、もう話は知ってるよ」
振り向くとソファには父のカイが座っていて、今度は勢いよく室内に戻ると大好きな膝に乗っかった。
「私…行ってきます。お父様、ごめんなさい」
「何を謝ってるのかな?ラス…皆が君の幸せを祈っているからね。君の使命は生きてここへ戻って来ること。いいね?」
「はい。コーと一緒に戻って来ます。絶対に」
ぎゅうっと抱き着き、離れるとローズマリーとティアラ、グラースの背中を押して自室へと向かったラスをあたたかい瞳で見守り、
そして残ったオーディンとリロイ、カイは視線を交わし合い、肩で息をついた。
「ということで陛下…僕はこの国は継げません。申し訳ありません」
「いや、いいんだ。ちょうどもう1人子供が欲しいと思っていた。後は私がなんとかしよう」
笑いながらそう言うと、オーディンは杖をつきながら出入り口へと向かい、微笑んだ。
「今度はコハク様を捜す旅になります。ラス王女に捜されていることを知ったら…悶えるでしょうねえ」
…もう早速悶えていたのだが。
それと…リロイが魔法剣に宿った水晶に操られていたということ。
本意ではなかったことを知り、少しでも早くコハクのことを忘れて幸せにしてくれようとしていたことを知り、リロイの金の髪に指を潜らせた。
「ありがとうラス…。君のために、君がまた影と会えるように僕も協力するから」
「うん。2年も無視してごめんね。あと私…リロイのお嫁さんには…」
「…うん、それもわかってるから。僕には君を幸せにする資格なんかなかったんだ。本当にごめんね、ラス…」
ベルルやオーディンからの突き刺す視線を感じながらリロイが身体を起こしてラスを離すと、ラスはバルコニーを飛び出て庭に裸足で降り立つと、視線を下げて影を見つめた。
「あのねコー、みんなが協力してくれるの。だからもうちょっと待っててね。コー…」
「さあラス王女、あなたは旅の支度をしなければ。あなたしかできない旅を」
「うん。その前にお父様にご報告を…」
「私のプリンセス、もう話は知ってるよ」
振り向くとソファには父のカイが座っていて、今度は勢いよく室内に戻ると大好きな膝に乗っかった。
「私…行ってきます。お父様、ごめんなさい」
「何を謝ってるのかな?ラス…皆が君の幸せを祈っているからね。君の使命は生きてここへ戻って来ること。いいね?」
「はい。コーと一緒に戻って来ます。絶対に」
ぎゅうっと抱き着き、離れるとローズマリーとティアラ、グラースの背中を押して自室へと向かったラスをあたたかい瞳で見守り、
そして残ったオーディンとリロイ、カイは視線を交わし合い、肩で息をついた。
「ということで陛下…僕はこの国は継げません。申し訳ありません」
「いや、いいんだ。ちょうどもう1人子供が欲しいと思っていた。後は私がなんとかしよう」
笑いながらそう言うと、オーディンは杖をつきながら出入り口へと向かい、微笑んだ。
「今度はコハク様を捜す旅になります。ラス王女に捜されていることを知ったら…悶えるでしょうねえ」
…もう早速悶えていたのだが。