魔王と王女の物語②-Chain of destiny-【完】
眠れないと思っていたのだが、明け方ラスから肩を揺すられるまでデスはぐっすり眠ってしまっていた。
「おはよ。まだ寝ててもいいけど私たちリロイたちと一緒にご飯食べるけどどうする?」
「…………おはよ」
1テンポ会話が遅かったがラスは気にせず、寝ているコハクの腹を踏んづけながらベッドから降りて、蜂蜜の入っている壺に指を突っ込むと口に入れて幸せそうにしていた。
…この時間帯、普段なら確実に寝ている。
規則正しい生活をしている自分をおかしく感じながらも、隣のコハクのわき腹を突いて起こした。
「なんだよもうちょっと寝かせ……うぉーーーっ!チビ!爆発する!」
コハクの瞳が釘付けになっている方へと視線を遣ったデスは、ラスがピンク色のネグリジェを頭から脱いでほぼ全裸になっているのを見ても何ら動揺することなく見つめ続けた。
「見んな!減る!……お前…さては男じゃねえな?男だったらふつうコーフンするとこだろが!」
「………コーフン?………しない」
「嘘つけ!ちゃんとついてんのか?ちょっと触らせろ!」
デスを羽交い絞めにしたコハクが手を伸ばして掛け布団の中に突っ込むと…はたとデスと見つめ合った。
「……ま、まあまあじゃねえか」
「……何が?」
「“何が?”の発音がちげーよ。使うもん使わねえともったいねえぜ。…あ、絶対にチビで使うなよ!女なら腐るほど紹介してやっから」
「…ふうん」
ラスの口からかなり不満げな“ふうん”が漏れると、慌てまくった魔王はベッドから這い出てベルラインの水色のドレスの背中側についているファスナーを上げようとしていたラスの手を取って上げてやると、手の甲にキスをした。
「誤魔化されないんだから。デス、こっちにおいで。一緒に蜂蜜舐めよ」
「………うん」
うっかり出てしまった言葉でラスが唇を尖らせてしまうと、地団駄を踏んだ魔王はラスの隣で膝を抱えようとしていたデスを突き飛ばしてころころと転ばせ、ラスを膝に乗せて何度も訴えた。
「デスに彼女ができたらチビだって嬉しいだろ?言っとくけど女っていうのも知り合いだし!つか全然会ってねえから生きてるかもわかんねえし!」
「もういいもん。別に怒ってないもん。ふんだ」
「チビって!話聞いてくれっ」
魔王の情けない声は、デスの表情に自然と笑みを沸かせた。
「おはよ。まだ寝ててもいいけど私たちリロイたちと一緒にご飯食べるけどどうする?」
「…………おはよ」
1テンポ会話が遅かったがラスは気にせず、寝ているコハクの腹を踏んづけながらベッドから降りて、蜂蜜の入っている壺に指を突っ込むと口に入れて幸せそうにしていた。
…この時間帯、普段なら確実に寝ている。
規則正しい生活をしている自分をおかしく感じながらも、隣のコハクのわき腹を突いて起こした。
「なんだよもうちょっと寝かせ……うぉーーーっ!チビ!爆発する!」
コハクの瞳が釘付けになっている方へと視線を遣ったデスは、ラスがピンク色のネグリジェを頭から脱いでほぼ全裸になっているのを見ても何ら動揺することなく見つめ続けた。
「見んな!減る!……お前…さては男じゃねえな?男だったらふつうコーフンするとこだろが!」
「………コーフン?………しない」
「嘘つけ!ちゃんとついてんのか?ちょっと触らせろ!」
デスを羽交い絞めにしたコハクが手を伸ばして掛け布団の中に突っ込むと…はたとデスと見つめ合った。
「……ま、まあまあじゃねえか」
「……何が?」
「“何が?”の発音がちげーよ。使うもん使わねえともったいねえぜ。…あ、絶対にチビで使うなよ!女なら腐るほど紹介してやっから」
「…ふうん」
ラスの口からかなり不満げな“ふうん”が漏れると、慌てまくった魔王はベッドから這い出てベルラインの水色のドレスの背中側についているファスナーを上げようとしていたラスの手を取って上げてやると、手の甲にキスをした。
「誤魔化されないんだから。デス、こっちにおいで。一緒に蜂蜜舐めよ」
「………うん」
うっかり出てしまった言葉でラスが唇を尖らせてしまうと、地団駄を踏んだ魔王はラスの隣で膝を抱えようとしていたデスを突き飛ばしてころころと転ばせ、ラスを膝に乗せて何度も訴えた。
「デスに彼女ができたらチビだって嬉しいだろ?言っとくけど女っていうのも知り合いだし!つか全然会ってねえから生きてるかもわかんねえし!」
「もういいもん。別に怒ってないもん。ふんだ」
「チビって!話聞いてくれっ」
魔王の情けない声は、デスの表情に自然と笑みを沸かせた。