魔王と王女の物語②-Chain of destiny-【完】
ゴールドストーン王国を囲んでいる森にも花畑は沢山あったが…
ここは一面が花畑で、ラスは鼻歌を唄いながら色とりどりの花に触れ、妖精が教えてくれた方向に向かって突き進んでいた。
「天使さんたちはコーが目覚めたばかりだって言ってたけど…2年も眠ってたのかな。お腹空いてないかな、私の手料理食べてもらいたいな」
――楽しいことばかりを考えているラス…だがそれはこの世界で功を奏している。
悪い想像ばかりしているとそれが形となり、襲ってくるのだ。
だがラスの頭の中は楽しい想像ばかりで、悪いことなど一切考えていなかった。
「人間さん、こちらにいらっしゃい」
「え?どこ?」
くすくすと笑う声がして、茂みをかき分けて奥へ進んでいくと…
小さな水たまりの中に、赤い花の花弁を船に見立てて乗った小さな小さなお姫様が口元を手で隠しながら笑っていた。
「人間に会えたのは久しぶり。人間はもう私たちを見ることはできないはずだけれど、あなたはどうしてこの世界に来てるの?」
背中半ばまでの金の髪はゴージャスな巻き毛で、瞳の色はグリーンで少し風貌が自分と似ている気がして親近感を覚えたラスは、水たまりの前に座って顔を寄せた。
「会いたい人がここに来てるの。あなたはウンディーネさんたちが居る所を知ってる?」
「私のことはキャリィって呼んで。で、ウンディーネ様たちを捜してるの?知ってるわよ、私は彼女たちとお友達だから」
「わ、本当に!?私も1度だけウンディーネさんたちを見たことがあるの」
テンションが上がったラスが嬉しそうに笑うと、キャリィはラスに手を差し伸べた。
「明日になったら連れて行ってあげる。私も久々に人間に会えて嬉しいの。だから私の城に戻ってお話をしましょうよ」
「え…キャリィさんはお姫様なの?」
――言っている傍からまたキャリィがくすくす笑いつつ、ラスの身体はみるみる縮んで、キャリィと同じサイズになってしまった。
「すごい!魔法だ!」
「そのサイズだと私のお城には入れないから少しだけ我慢してね」
呆然としているとあちこちからわらわらと従者が現れ、ラスの瞳はまん丸になった。
ここは一面が花畑で、ラスは鼻歌を唄いながら色とりどりの花に触れ、妖精が教えてくれた方向に向かって突き進んでいた。
「天使さんたちはコーが目覚めたばかりだって言ってたけど…2年も眠ってたのかな。お腹空いてないかな、私の手料理食べてもらいたいな」
――楽しいことばかりを考えているラス…だがそれはこの世界で功を奏している。
悪い想像ばかりしているとそれが形となり、襲ってくるのだ。
だがラスの頭の中は楽しい想像ばかりで、悪いことなど一切考えていなかった。
「人間さん、こちらにいらっしゃい」
「え?どこ?」
くすくすと笑う声がして、茂みをかき分けて奥へ進んでいくと…
小さな水たまりの中に、赤い花の花弁を船に見立てて乗った小さな小さなお姫様が口元を手で隠しながら笑っていた。
「人間に会えたのは久しぶり。人間はもう私たちを見ることはできないはずだけれど、あなたはどうしてこの世界に来てるの?」
背中半ばまでの金の髪はゴージャスな巻き毛で、瞳の色はグリーンで少し風貌が自分と似ている気がして親近感を覚えたラスは、水たまりの前に座って顔を寄せた。
「会いたい人がここに来てるの。あなたはウンディーネさんたちが居る所を知ってる?」
「私のことはキャリィって呼んで。で、ウンディーネ様たちを捜してるの?知ってるわよ、私は彼女たちとお友達だから」
「わ、本当に!?私も1度だけウンディーネさんたちを見たことがあるの」
テンションが上がったラスが嬉しそうに笑うと、キャリィはラスに手を差し伸べた。
「明日になったら連れて行ってあげる。私も久々に人間に会えて嬉しいの。だから私の城に戻ってお話をしましょうよ」
「え…キャリィさんはお姫様なの?」
――言っている傍からまたキャリィがくすくす笑いつつ、ラスの身体はみるみる縮んで、キャリィと同じサイズになってしまった。
「すごい!魔法だ!」
「そのサイズだと私のお城には入れないから少しだけ我慢してね」
呆然としているとあちこちからわらわらと従者が現れ、ラスの瞳はまん丸になった。