魔王と王女の物語②-Chain of destiny-【完】
綺麗で美人なキャリィ姫と会えたのも嬉しいし、明日になったらキャリィ姫が四精霊とコハクの居る場所まで案内してくれると言ったので、ラスは完全に気を抜いていた。
「コーに会っても口説いたりしないでね?コーは女の子が大好きなんだからキャリィ姫を見たらすぐに言い寄っちゃう」
「あら、信用ないのね。コーはあなたに夢中なんでしょ?でも信用してないの?」
今までのコハクの女性遍歴を鑑みれば間違いなくコハクがキャリィ姫に夢中になって自分を見てくれないかもと一瞬でも考えてしまったラスはぶんぶんと首を振ると肩を竦めた。
「信用してるよ。でもキャリィ姫からコーに近付くのは駄目っ」
「ふふふー、どうしようかなー」
腕を引っ張り合ったりしてじゃれていると、突然がさがさっと背後からしたと思ったら…
ラスは大きなヒキガエルの腕にしっかりと抱かれてしまっていた。
「え、えっ?」
「この娘は俺が貰って行くケロ!」
「お前は最近私をつけ狙っていたヒキガエル!その娘を返しなさい!」
「いやだケロ!もう俺はここには来ないケロ!」
ものすごく高くジャンプしながら猛烈な勢いで城から遠ざかり、瞳を白黒させながら落ちないように身体に回っているヒキガエルの腕をしっかり握ると、ケロケロと楽しそうに鳴いているヒキガエルを見上げた。
「あなたは誰?キャリィ姫のところに戻らなきゃコーに会えないよ」
「あそこに居たらコーには会えないケロよ!俺が居場所を知ってるから連れて行ってあげるケロ!」
「え?でも案内してくれるって言ってくれたよ?」
「キャリィ姫は君に嘘をついて騙してたんだケロ!あいつは本当は恐ろしくて怖い魔女みたいな女だケロ!」
――そう言われても絶対にそんな風には見えなかったのだが…
人を疑うことを知らないラスはとりあえず頷きながらヒキガエルの手をさすった。
「そう、なのかな?ヒキガエルさんはコーの居場所を知ってるんだよね?案内してくれるの?ありがとう!」
満面の笑みのラスは純粋無垢で、ラスを騙している罪悪感が一気に襲ってきたヒキガエルはつい“ごめんなさい”と言いそうになってしまっていた。
「コーに会っても口説いたりしないでね?コーは女の子が大好きなんだからキャリィ姫を見たらすぐに言い寄っちゃう」
「あら、信用ないのね。コーはあなたに夢中なんでしょ?でも信用してないの?」
今までのコハクの女性遍歴を鑑みれば間違いなくコハクがキャリィ姫に夢中になって自分を見てくれないかもと一瞬でも考えてしまったラスはぶんぶんと首を振ると肩を竦めた。
「信用してるよ。でもキャリィ姫からコーに近付くのは駄目っ」
「ふふふー、どうしようかなー」
腕を引っ張り合ったりしてじゃれていると、突然がさがさっと背後からしたと思ったら…
ラスは大きなヒキガエルの腕にしっかりと抱かれてしまっていた。
「え、えっ?」
「この娘は俺が貰って行くケロ!」
「お前は最近私をつけ狙っていたヒキガエル!その娘を返しなさい!」
「いやだケロ!もう俺はここには来ないケロ!」
ものすごく高くジャンプしながら猛烈な勢いで城から遠ざかり、瞳を白黒させながら落ちないように身体に回っているヒキガエルの腕をしっかり握ると、ケロケロと楽しそうに鳴いているヒキガエルを見上げた。
「あなたは誰?キャリィ姫のところに戻らなきゃコーに会えないよ」
「あそこに居たらコーには会えないケロよ!俺が居場所を知ってるから連れて行ってあげるケロ!」
「え?でも案内してくれるって言ってくれたよ?」
「キャリィ姫は君に嘘をついて騙してたんだケロ!あいつは本当は恐ろしくて怖い魔女みたいな女だケロ!」
――そう言われても絶対にそんな風には見えなかったのだが…
人を疑うことを知らないラスはとりあえず頷きながらヒキガエルの手をさすった。
「そう、なのかな?ヒキガエルさんはコーの居場所を知ってるんだよね?案内してくれるの?ありがとう!」
満面の笑みのラスは純粋無垢で、ラスを騙している罪悪感が一気に襲ってきたヒキガエルはつい“ごめんなさい”と言いそうになってしまっていた。