魔王と王女の物語②-Chain of destiny-【完】
黄色の大きなヒキガエルが案内したのは泡を吐き出している沼のすぐ近くにあった。
屋根が赤く、中に入るとベッドがあり、バスルームがあり…人が住める仕様になっていたので、ひとまず窓際の椅子にちょこんと座るとヒキガエルを見上げた。
「いつコーの所に案内してくれるの?」
「え?えーと…あ、間違えた!ここで待ってればコーが来るケロ!ちょっと遠くに居るからここまで来るのに時間がかかるケロ!」
「そうなの?親切にしてくれてありがとうヒキガエルさん。この世界は優しくて親切な人ばかりで嬉しいっ」
「そ、そんなことないケロ!ちょっと外に出てくるからここに居るケロ!」
「うん、わかった!」
――素直すぎて逆に自分の醜さが際立ってしまう…
手を振るラスのローブの胸元からはちらりと胸の谷間が見えていて、コーフンしつつ外へ出たヒキガエルは早速ラスを攫ってきたことを後悔していた。
キャリィ姫のように気位が高くツンツンしている女の方がコントロールしやすい。
ラスは…純粋すぎる。
「でも…乗っかりたいケロ!」
…所詮はケダモノの考えの行き着くところはそこで、“コー”と呼んでいる男のためにこの世界へやって来たラスに尊敬もした。
「あんなに弱そうなのにまだ1度も襲われてないみたいだケロ…。あの娘、意外とやるケロ…?」
この世界へやって来た途端に襲われる者も多い。
第一この精霊界に人間がやって来たことなど稀だが、ゼロではない。
この前はウンディーネたち四精霊がこぞって真っ黒で血だらけな男を運び込むのを目撃していたのだから。
「まさか…あれが“コー”ケロ?」
瞳は閉じていたが…明らかに性格の悪そうな顔をしていたと思う。
ラスとは対照的で、ラスが選びそうな男ではないのでヒキガエルはその考えを打ち消した。
一旦考えることをやめたヒキガエルが家に引き返すと、中からはとても良い匂いがした。
そしてラスがキッチンに立っていて、不器用な手つきでフライパンを握っていた。
「何してるケロ?」
「ここでお世話になるんだからご飯作ってあげる!」
新婚生活のようで、ヒキガエル、コーフン。
屋根が赤く、中に入るとベッドがあり、バスルームがあり…人が住める仕様になっていたので、ひとまず窓際の椅子にちょこんと座るとヒキガエルを見上げた。
「いつコーの所に案内してくれるの?」
「え?えーと…あ、間違えた!ここで待ってればコーが来るケロ!ちょっと遠くに居るからここまで来るのに時間がかかるケロ!」
「そうなの?親切にしてくれてありがとうヒキガエルさん。この世界は優しくて親切な人ばかりで嬉しいっ」
「そ、そんなことないケロ!ちょっと外に出てくるからここに居るケロ!」
「うん、わかった!」
――素直すぎて逆に自分の醜さが際立ってしまう…
手を振るラスのローブの胸元からはちらりと胸の谷間が見えていて、コーフンしつつ外へ出たヒキガエルは早速ラスを攫ってきたことを後悔していた。
キャリィ姫のように気位が高くツンツンしている女の方がコントロールしやすい。
ラスは…純粋すぎる。
「でも…乗っかりたいケロ!」
…所詮はケダモノの考えの行き着くところはそこで、“コー”と呼んでいる男のためにこの世界へやって来たラスに尊敬もした。
「あんなに弱そうなのにまだ1度も襲われてないみたいだケロ…。あの娘、意外とやるケロ…?」
この世界へやって来た途端に襲われる者も多い。
第一この精霊界に人間がやって来たことなど稀だが、ゼロではない。
この前はウンディーネたち四精霊がこぞって真っ黒で血だらけな男を運び込むのを目撃していたのだから。
「まさか…あれが“コー”ケロ?」
瞳は閉じていたが…明らかに性格の悪そうな顔をしていたと思う。
ラスとは対照的で、ラスが選びそうな男ではないのでヒキガエルはその考えを打ち消した。
一旦考えることをやめたヒキガエルが家に引き返すと、中からはとても良い匂いがした。
そしてラスがキッチンに立っていて、不器用な手つきでフライパンを握っていた。
「何してるケロ?」
「ここでお世話になるんだからご飯作ってあげる!」
新婚生活のようで、ヒキガエル、コーフン。