魔王と王女の物語②-Chain of destiny-【完】
コハクが公園に戻って来た時、デスとラスは赤い花が咲いている花壇の前に座り込んで何やらきゃっきゃと楽しそうにしていた。
そーっと近付いて背後に立ってみると、デスはすぐに気が付いたがコハクが唇に人差し指をあてたので何も言わずにまた花を見つめて会話を続行。
「このお花の方がコーに似てるかも。コーの瞳の色。あ、でもでもこっちの方が…」
「チビ―、何やってんだ?」
「あ、コー!お帰りなさい!見て、このお花、赤いマーガレットなの!ねえ、コーの瞳の色に似てるでしょ?ね?持って帰りたいなあ…駄目かなあ」
…この瞳の色を“綺麗”と言ってくれて真っ直ぐ見つめてくれるのはラスだけで、最初は自身も疎んでいた赤い瞳だったが、最近は鏡を見るのも億劫になることなく鏡に映る自身を見つめ返すことができるようになった。
与えてくれるものの多さにこっそりラスに感謝しつつ抱っこして、その辺をうろちょろしていた首の長い青い鱗の蜥蜴の魔物を呼び寄せると、ラスを抱っこして命令をした。
「それ俺の部屋に運んどいて」
「ありがとう。ねえコー、今のコーもかっこいいけど、やっぱりいつもの見慣れたコーがいいな。元に戻ってほしいな」
「そっかあ?じゃあチビの好きな俺に戻ろっかなー」
ラスの頬をぺろんと舐めて額を額にこつんとぶつけて見つめ合い、そうしているうちに潮の満ち引きのようにコハクの瞳の色が金から赤へと変わり、髪の色もじわじわと金から黒へと変わった。
いつものコハクに戻るとラスがちゅうっと唇にキスをして真っ黒になった髪を撫でた。
「どこに行ってたの?コー、お酒臭いっ」
「ちょっと知り合いのとこに行ってたんだけどさー。あのチビハゲ王子を懲らしめてやろうと思って協力を頼みに行って来たんだ」
「そうなの?私も協力したい」
「駄目ー。明日の朝すげえことになってるから、チビはベビーのためにもぐっすり寝ること!お師匠と話が終わったらすぐ戻るからさ。それまではデスと一緒に寝てろよ」
「うん、わかった。…あの王子様…クリスタルパレスに行ったのかな。ティアラ…大丈夫かな」
しきりにティアラを心配するラスに笑いかけたコハクは、城の方へ歩きながらラスの額にキスをした。
「小僧ももうきっと気付いてるはずだぜ。自分自身の気持ちに」
フォーンが現れたことで、気付く。
そーっと近付いて背後に立ってみると、デスはすぐに気が付いたがコハクが唇に人差し指をあてたので何も言わずにまた花を見つめて会話を続行。
「このお花の方がコーに似てるかも。コーの瞳の色。あ、でもでもこっちの方が…」
「チビ―、何やってんだ?」
「あ、コー!お帰りなさい!見て、このお花、赤いマーガレットなの!ねえ、コーの瞳の色に似てるでしょ?ね?持って帰りたいなあ…駄目かなあ」
…この瞳の色を“綺麗”と言ってくれて真っ直ぐ見つめてくれるのはラスだけで、最初は自身も疎んでいた赤い瞳だったが、最近は鏡を見るのも億劫になることなく鏡に映る自身を見つめ返すことができるようになった。
与えてくれるものの多さにこっそりラスに感謝しつつ抱っこして、その辺をうろちょろしていた首の長い青い鱗の蜥蜴の魔物を呼び寄せると、ラスを抱っこして命令をした。
「それ俺の部屋に運んどいて」
「ありがとう。ねえコー、今のコーもかっこいいけど、やっぱりいつもの見慣れたコーがいいな。元に戻ってほしいな」
「そっかあ?じゃあチビの好きな俺に戻ろっかなー」
ラスの頬をぺろんと舐めて額を額にこつんとぶつけて見つめ合い、そうしているうちに潮の満ち引きのようにコハクの瞳の色が金から赤へと変わり、髪の色もじわじわと金から黒へと変わった。
いつものコハクに戻るとラスがちゅうっと唇にキスをして真っ黒になった髪を撫でた。
「どこに行ってたの?コー、お酒臭いっ」
「ちょっと知り合いのとこに行ってたんだけどさー。あのチビハゲ王子を懲らしめてやろうと思って協力を頼みに行って来たんだ」
「そうなの?私も協力したい」
「駄目ー。明日の朝すげえことになってるから、チビはベビーのためにもぐっすり寝ること!お師匠と話が終わったらすぐ戻るからさ。それまではデスと一緒に寝てろよ」
「うん、わかった。…あの王子様…クリスタルパレスに行ったのかな。ティアラ…大丈夫かな」
しきりにティアラを心配するラスに笑いかけたコハクは、城の方へ歩きながらラスの額にキスをした。
「小僧ももうきっと気付いてるはずだぜ。自分自身の気持ちに」
フォーンが現れたことで、気付く。