魔王と王女の物語②-Chain of destiny-【完】
「いいなー…俺ももみもみ…」
「…影…その手つきはやめろ。ティアラに妙なことをしたらただじゃおかないからな」
「へぇー?お前も昨晩もみもみしたんじゃねえの?」
「!ぼ、僕はそんなことしない!言葉でティアラを穢すな!」
怒られまくって肩を竦めたコハクは、手すりにもたれ掛って腕を組むとバルコニーから部屋の隅でひそひそ楽しそうに内緒話をしているラスを見て瞳を細めた。
「もうすぐクリスタルパレスは完成する。そうなったらボインはあのチビハゲ王子と結婚だ。毎晩好きでもない男に抱かれて、好きでもない男のガキを生むんだぜ」
「…」
「ボインの“親友”として何か一言」
にやけ笑いの消えたコハクの顔をじっと見つめたリロイは、ちらりとラスたちに視線を走らせた後、コハクに顔を近付けてぼそりと呟いた。
「親友じゃない。ティアラは…僕の大切な人だ」
「ふうん。それってどういう意味だよ。“好き”と“愛してる”は違うぜ」
その時突風が吹いてコハクとリロイの髪をなぶっていき、その風に乗せてリロイはとても大切なことを限りなく優しい声でティアラを見つめて言った。
「…多分…絶対にティアラは特にとってかけがえのない人になる。もうなりかけてる。…結婚させたくない。僕が…僕が守ってあげたいんだ」
「よし、協力してやるよ」
「…え?」
「まあ任せとけって。とりあえずさあ、お前はボインと同じ部屋なんだし我慢できなくなったら襲ってもいいと思うぞ。ボインはずっとお前のことを好きだったからな」
「お、襲ったりなんかしない!」
2人の会話が耳に届いたのか、ラスとティアラがきょとんとした顔でこちらを見ていたので、慌てたリロイは妙な咳払いをしながら部屋の中に戻ってティアラに手を差し伸べた。
「もう部屋に戻りましょう。チビハ…フォーン王子が戻って来ますから籠城作戦で」
「ふふっ、はい。じゃあラス、またディナーの時に。これ…ありがとう」
「うん。じゃあ私眠たいからお昼寝するね。ベビーを寝かせてあげなきゃ」
「…………俺も…寝る…」
「おいでおいで。コーはどうする?」
「俺は地下でお勉強ー」
――調べなければならないことがあった。
ローズマリーと話す前に、調べなければならないことが。
「…影…その手つきはやめろ。ティアラに妙なことをしたらただじゃおかないからな」
「へぇー?お前も昨晩もみもみしたんじゃねえの?」
「!ぼ、僕はそんなことしない!言葉でティアラを穢すな!」
怒られまくって肩を竦めたコハクは、手すりにもたれ掛って腕を組むとバルコニーから部屋の隅でひそひそ楽しそうに内緒話をしているラスを見て瞳を細めた。
「もうすぐクリスタルパレスは完成する。そうなったらボインはあのチビハゲ王子と結婚だ。毎晩好きでもない男に抱かれて、好きでもない男のガキを生むんだぜ」
「…」
「ボインの“親友”として何か一言」
にやけ笑いの消えたコハクの顔をじっと見つめたリロイは、ちらりとラスたちに視線を走らせた後、コハクに顔を近付けてぼそりと呟いた。
「親友じゃない。ティアラは…僕の大切な人だ」
「ふうん。それってどういう意味だよ。“好き”と“愛してる”は違うぜ」
その時突風が吹いてコハクとリロイの髪をなぶっていき、その風に乗せてリロイはとても大切なことを限りなく優しい声でティアラを見つめて言った。
「…多分…絶対にティアラは特にとってかけがえのない人になる。もうなりかけてる。…結婚させたくない。僕が…僕が守ってあげたいんだ」
「よし、協力してやるよ」
「…え?」
「まあ任せとけって。とりあえずさあ、お前はボインと同じ部屋なんだし我慢できなくなったら襲ってもいいと思うぞ。ボインはずっとお前のことを好きだったからな」
「お、襲ったりなんかしない!」
2人の会話が耳に届いたのか、ラスとティアラがきょとんとした顔でこちらを見ていたので、慌てたリロイは妙な咳払いをしながら部屋の中に戻ってティアラに手を差し伸べた。
「もう部屋に戻りましょう。チビハ…フォーン王子が戻って来ますから籠城作戦で」
「ふふっ、はい。じゃあラス、またディナーの時に。これ…ありがとう」
「うん。じゃあ私眠たいからお昼寝するね。ベビーを寝かせてあげなきゃ」
「…………俺も…寝る…」
「おいでおいで。コーはどうする?」
「俺は地下でお勉強ー」
――調べなければならないことがあった。
ローズマリーと話す前に、調べなければならないことが。