魔王と王女の物語②-Chain of destiny-【完】
それぞれの夜
部屋に着くなりローズマリーはバスルームに向かい、コハクはバルコニーに出て夜風にあたりながらそわそわしていた。
「チビ…まだ起きてるかなー。いや、絶対寝てるな、うん。ああああぁ、今日買った下着…つけて見せてほしかったのになー」
煩悩まみれのことばかり考えて、それだけで鼻血が出そうになって夜空を仰いで鼻をつまんだ。
「出る出る!イロイロ出る!」
「何が出るの?またやらしいこと考えてたんでしょ」
「あ、お師匠…。まあなんだ、はっきり言えばそうなんだけど。チビがあの下着で…ふふふふ」
鼻息荒く様々な妄想をシチュエーションして楽しんでいるコハクははたから見るとかなりうざかったが、ローズマリーはバスローブだけの姿でコハクの膝に腰かけた。
「俺…椅子じゃねえんだけど」
「なによいいじゃない。で?話ってなんなの?」
胸にローズマリーの豊満な胸がべったりくっついていたが、コハクは何の感慨もなく指で頬をかくと、しばらく黙り込んだ。
――コハクが言葉を選んでいるその間にローズマリーはまた過去を思い返していた。
昔はこうするとすぐに押し倒されたものだが…
今は自分を膝に乗っていることも忘れているのか、真面目な顔をして黙り込んでいる。
「早く話さないとイタズラするわよ」
「待てって。俺も言いにくいんだからさ」
赤い瞳は何の影響なのかいつもよりも明るく輝いていて、まるで瞳に宝石が埋まったかのような鮮やかさだった。
…こうしてコハクの身体に触れるのも何百年ぶりか…
相変わらず細く引き締まっていて、首から鎖骨、肩の滑らかなラインがセクシーで、小さなベッドで愛し合った日々を懐かしく感じる。
「ちょ、触んなって。言うよ言います!あのさ…」
キスできそうな距離でコハクを見上げると、コハクはやや身体を引いて離すと、真っ向からローズマリーを見つめた。
「お師匠が俺に不死の魔法をかけた時…あれがはじめてだったのか?」
「正確に言えば2度目よ。1度目は私自身で試したから。それがなに?」
「失敗したら…どうなる?」
「…知らないわ。何も起こらないかもしれないし、何か起こるかもしれないわね」
またコハクが黙り込んだ。
そうか。
彼は…
失敗した時のことを危惧していたのだ。
「チビ…まだ起きてるかなー。いや、絶対寝てるな、うん。ああああぁ、今日買った下着…つけて見せてほしかったのになー」
煩悩まみれのことばかり考えて、それだけで鼻血が出そうになって夜空を仰いで鼻をつまんだ。
「出る出る!イロイロ出る!」
「何が出るの?またやらしいこと考えてたんでしょ」
「あ、お師匠…。まあなんだ、はっきり言えばそうなんだけど。チビがあの下着で…ふふふふ」
鼻息荒く様々な妄想をシチュエーションして楽しんでいるコハクははたから見るとかなりうざかったが、ローズマリーはバスローブだけの姿でコハクの膝に腰かけた。
「俺…椅子じゃねえんだけど」
「なによいいじゃない。で?話ってなんなの?」
胸にローズマリーの豊満な胸がべったりくっついていたが、コハクは何の感慨もなく指で頬をかくと、しばらく黙り込んだ。
――コハクが言葉を選んでいるその間にローズマリーはまた過去を思い返していた。
昔はこうするとすぐに押し倒されたものだが…
今は自分を膝に乗っていることも忘れているのか、真面目な顔をして黙り込んでいる。
「早く話さないとイタズラするわよ」
「待てって。俺も言いにくいんだからさ」
赤い瞳は何の影響なのかいつもよりも明るく輝いていて、まるで瞳に宝石が埋まったかのような鮮やかさだった。
…こうしてコハクの身体に触れるのも何百年ぶりか…
相変わらず細く引き締まっていて、首から鎖骨、肩の滑らかなラインがセクシーで、小さなベッドで愛し合った日々を懐かしく感じる。
「ちょ、触んなって。言うよ言います!あのさ…」
キスできそうな距離でコハクを見上げると、コハクはやや身体を引いて離すと、真っ向からローズマリーを見つめた。
「お師匠が俺に不死の魔法をかけた時…あれがはじめてだったのか?」
「正確に言えば2度目よ。1度目は私自身で試したから。それがなに?」
「失敗したら…どうなる?」
「…知らないわ。何も起こらないかもしれないし、何か起こるかもしれないわね」
またコハクが黙り込んだ。
そうか。
彼は…
失敗した時のことを危惧していたのだ。