魔王と王女の物語②-Chain of destiny-【完】
デスと一緒にお昼寝をしていたラスはデスの身じろぎで目を覚ますと、子供のように肩に顔を埋めて眠っているデスを見てよしよしと頭を撫でた。
「ほんとに赤ちゃんみたい」
…いかんせんサイズは立派な成人男性で、コハクと同じ黒の長い睫毛が綺麗で瞼にちゅっとキスをすると、もぞっと動いたデスが今度は胸に顔を埋めてきて、きゅん。
「デスはおっきい赤ちゃんだね。コーまだかな…こんなの見られたらすっごく怒るんじゃないかな…」
すっごく怒られたことはほとんどないが、デスは確実に怒られそうな気がするので、無意識に顔を押し付けてくるデスの頭を1度撫でると上体を起こして寝かしつけてやった後にベッドから降りた。
「お風呂入ろうかな。勝手に入ったらコー怒るかな」
ひとりで入ると必ずコハクから“も1回入る!一緒に!”と言われて二度手間になってしまうので我慢していたが、ティアラとお揃いで買った下着を早くつけてみたくて、デスが起きないようにそっとバスルームに移動したラスはシャワーを浴びて髪を洗い、身体を擦った後バスタオルで丁寧に身体を拭いて、ハートマークが沢山ついた赤いブラを手に悪戦苦闘。
「あれ?付かない…。どうして?どうしよう…」
この場にコハクが居たならば即答で“俺が!”と言うところだが、今はローズマリーと何らかの話をしているはず。
どうしてもこのブラをつけてみたかったラスは仕方なくバスタオルで身体を隠すと、デスが寝ているベッドににじり寄った。
「デス、起きて。デス…」
「………ん…?」
もぞっと起きたデスは、バスタオル1枚で身体を隠して所在無げに立っているラスを見てぼんやりしていたが、目を擦るとようやく妙なことが起きていることに気が付いた。
「………?」
「あのね、ホックがちゃんと嵌まらないの。お願い、つけてくれる?」
ラスが手にしているブラを見たデスはまだ意味がわからずにきょとんとしていて、ぴょんと跳ねてベッドに飛び乗ったラスはデスに背中を向けてバスタオルをばさりと落とした。
「……………」
「これをね、こうするの。金具があるの分かる?それをもう片方にくっつけるの。わかる?」
「…………うん」
「じゃあお願い。変なお願いしてごめんね」
――ラスの謝罪は実際デスの耳に届いていなかった。
真っ白な肌に、吸い込まれていた。
「ほんとに赤ちゃんみたい」
…いかんせんサイズは立派な成人男性で、コハクと同じ黒の長い睫毛が綺麗で瞼にちゅっとキスをすると、もぞっと動いたデスが今度は胸に顔を埋めてきて、きゅん。
「デスはおっきい赤ちゃんだね。コーまだかな…こんなの見られたらすっごく怒るんじゃないかな…」
すっごく怒られたことはほとんどないが、デスは確実に怒られそうな気がするので、無意識に顔を押し付けてくるデスの頭を1度撫でると上体を起こして寝かしつけてやった後にベッドから降りた。
「お風呂入ろうかな。勝手に入ったらコー怒るかな」
ひとりで入ると必ずコハクから“も1回入る!一緒に!”と言われて二度手間になってしまうので我慢していたが、ティアラとお揃いで買った下着を早くつけてみたくて、デスが起きないようにそっとバスルームに移動したラスはシャワーを浴びて髪を洗い、身体を擦った後バスタオルで丁寧に身体を拭いて、ハートマークが沢山ついた赤いブラを手に悪戦苦闘。
「あれ?付かない…。どうして?どうしよう…」
この場にコハクが居たならば即答で“俺が!”と言うところだが、今はローズマリーと何らかの話をしているはず。
どうしてもこのブラをつけてみたかったラスは仕方なくバスタオルで身体を隠すと、デスが寝ているベッドににじり寄った。
「デス、起きて。デス…」
「………ん…?」
もぞっと起きたデスは、バスタオル1枚で身体を隠して所在無げに立っているラスを見てぼんやりしていたが、目を擦るとようやく妙なことが起きていることに気が付いた。
「………?」
「あのね、ホックがちゃんと嵌まらないの。お願い、つけてくれる?」
ラスが手にしているブラを見たデスはまだ意味がわからずにきょとんとしていて、ぴょんと跳ねてベッドに飛び乗ったラスはデスに背中を向けてバスタオルをばさりと落とした。
「……………」
「これをね、こうするの。金具があるの分かる?それをもう片方にくっつけるの。わかる?」
「…………うん」
「じゃあお願い。変なお願いしてごめんね」
――ラスの謝罪は実際デスの耳に届いていなかった。
真っ白な肌に、吸い込まれていた。