魔王と王女の物語②-Chain of destiny-【完】
ベッドでじっとしているとようやく身体の異変も収まり、やや不安げに自身の身体を見下ろしながらベッドから降りてソファに座った。
「この蜂蜜すっごく美味しいの。ここの屋上に咲いてる金色の花の蜂蜜なんだよ。甘いの大丈夫?」
「………うん」
「コーは甘いの苦手みたいであんまり舐めないの。2年前に貰ったものが切れかかってたんだけどまた補充できてよかったっ」
両手で抱えなければならないほど大きな透明の瓶には黄金の蜂蜜がたっぷり入っていて、そこからスプーンで2人分掬い取ったラスは、片方をデスに手渡して同じように膝を抱えて隣に座った。
「これ毎日舐めてたら絶対太れるから。デスの抱っこは骨があたって痛いんだもん。コーも細いけど、コーくらいになってくれたら嬉しいな」
「………頑張る…」
ラスを横目で見つめていると、もったいなさそうにしてちびちびと舌で舐め取っていて、でもとても幸せそうで…
笑顔に見惚れているうちにスプーンを持っている手が傾き、デスの膝や手に蜂蜜がとろとろと垂れた。
「あーっ、デスっ、もったいないよ!手を貸してっ」
「……え?………あ……」
コハクとラスの前ではグローブを外しているので、露わになっている骨の手に蜂蜜がかってべとべとになっている手を引き寄せられてまだぼーっとしていると…
その骨の指にラスがぱくりと食いついた。
「拭き取るのもったいないしじっとしてて。おいしーっ」
「………」
ちゅうちゅうと指を吸われて、肉の無い指にそのあたたかさが伝わってきた。
伏せた長い金の睫毛は美しく、何も考えることができずにぼんやりしているうちにあっという間に指は綺麗になり、舐められた人差し指をじっと見つめたデスは、その指をぺろりと舐めた。
「私が全部舐めちゃったからはいこれあげる」
「………口…」
「え?口?」
「………口のとこ……ついてる…」
自身の顔に触れて何がついているのか確かめようとしているが的外れで、デスは顔を寄せてラスの唇の端についた蜂蜜を舐め取った。
「ひゃんっ。ありがと…。なんか…照れちゃうね」
「………うん」
少し頬が赤くなったラスを見て、自分の頬も熱くなった気がした。
心があたたかくなるって、こういうことなのか。
これが…“生きてる”ってことなのか。
「この蜂蜜すっごく美味しいの。ここの屋上に咲いてる金色の花の蜂蜜なんだよ。甘いの大丈夫?」
「………うん」
「コーは甘いの苦手みたいであんまり舐めないの。2年前に貰ったものが切れかかってたんだけどまた補充できてよかったっ」
両手で抱えなければならないほど大きな透明の瓶には黄金の蜂蜜がたっぷり入っていて、そこからスプーンで2人分掬い取ったラスは、片方をデスに手渡して同じように膝を抱えて隣に座った。
「これ毎日舐めてたら絶対太れるから。デスの抱っこは骨があたって痛いんだもん。コーも細いけど、コーくらいになってくれたら嬉しいな」
「………頑張る…」
ラスを横目で見つめていると、もったいなさそうにしてちびちびと舌で舐め取っていて、でもとても幸せそうで…
笑顔に見惚れているうちにスプーンを持っている手が傾き、デスの膝や手に蜂蜜がとろとろと垂れた。
「あーっ、デスっ、もったいないよ!手を貸してっ」
「……え?………あ……」
コハクとラスの前ではグローブを外しているので、露わになっている骨の手に蜂蜜がかってべとべとになっている手を引き寄せられてまだぼーっとしていると…
その骨の指にラスがぱくりと食いついた。
「拭き取るのもったいないしじっとしてて。おいしーっ」
「………」
ちゅうちゅうと指を吸われて、肉の無い指にそのあたたかさが伝わってきた。
伏せた長い金の睫毛は美しく、何も考えることができずにぼんやりしているうちにあっという間に指は綺麗になり、舐められた人差し指をじっと見つめたデスは、その指をぺろりと舐めた。
「私が全部舐めちゃったからはいこれあげる」
「………口…」
「え?口?」
「………口のとこ……ついてる…」
自身の顔に触れて何がついているのか確かめようとしているが的外れで、デスは顔を寄せてラスの唇の端についた蜂蜜を舐め取った。
「ひゃんっ。ありがと…。なんか…照れちゃうね」
「………うん」
少し頬が赤くなったラスを見て、自分の頬も熱くなった気がした。
心があたたかくなるって、こういうことなのか。
これが…“生きてる”ってことなのか。