魔王と王女の物語②-Chain of destiny-【完】
申し訳程度に腰にマントを巻いただけのフォーンは、ティアラになんとか言い訳をしようとにじり寄っては後ずさられた。
「やめて。近付かないで下さい」
「ご、誤解だ!ティアラ王女…私は…」
「それ以上は近付かないで下さい。あなたを斬りたくはない」
「…貴様ぁ…!」
その時ラスはティアラににじり寄ろうとするフォーンの胸をガン見していて、コハクのシャツの袖をくいくいと引っ張って見上げた。
「コー、王子様の胸に毛が生えてる」
「ああ、頭がハゲてる奴は大抵体毛濃い奴が多いんだ。こいつも例に漏れず、だな」
「へえぇぇ」
心底納得したラスの大きな瞳から逃れようと焦って部屋に戻ったフォーンは、そこでまた泣きわめく美女たちを前に動揺して入り口を指して大声を上げた。
「早く出て行け!私はお前たちと一緒に酒を飲んだだけなんだし、訴えたって無駄だぞ!金か!金が欲しいのか!?」
「…最低…」
またティアラがぼそりと呟いて身を翻してその場から去ってしまい、リロイはフォーンに侮蔑の視線を投げて去って行った。
さすがのラスも王族らしからぬ発言を繰り返すフォーンに対して眉間に皺を寄せたので、コハクはラスをさっと抱っこして美女たちに部屋から出るよう目配せをした。
すると美女たちが未だ泣きながら服をのろのろと着て立ち上がり、フォーンとすれ違いざまにぼそりと呟いた。
「言いふらしてやる」
「!だ、だからお前たちとは一緒に酒を飲んだだけで…」
まだ言い訳をしようとするフォーンの顔を見ることもなく去って行き、その場にはフォーンとコハクとラスだけ。
妙な間が流れると、フォーンは揉み手をしながらラスに近寄ろうとしたのだが…
「やっ」
「このチビハゲエロ王子が!チビに近付くんじゃねえ」
コハクの赤い瞳がぴかっと光ったと同時に身の毛がよだつほどの殺気を叩きつけられたフォーンは為す術もなくドアを鼻先で閉められた。
「チビ、お前今怒ってたろ。大丈夫か?」
「うん…。やっぱりあの人にはティアラはやれないよ。それとコー…胸毛生えてないよね?見てもいい?」
「!こらー!俺はハゲないし体毛薄いからだいじょぶ!……多分…」
だんだん心配になって来て、後で裸になってラスに確認してもらおうと決めた魔王はやっぱりヘンタイだった。
「やめて。近付かないで下さい」
「ご、誤解だ!ティアラ王女…私は…」
「それ以上は近付かないで下さい。あなたを斬りたくはない」
「…貴様ぁ…!」
その時ラスはティアラににじり寄ろうとするフォーンの胸をガン見していて、コハクのシャツの袖をくいくいと引っ張って見上げた。
「コー、王子様の胸に毛が生えてる」
「ああ、頭がハゲてる奴は大抵体毛濃い奴が多いんだ。こいつも例に漏れず、だな」
「へえぇぇ」
心底納得したラスの大きな瞳から逃れようと焦って部屋に戻ったフォーンは、そこでまた泣きわめく美女たちを前に動揺して入り口を指して大声を上げた。
「早く出て行け!私はお前たちと一緒に酒を飲んだだけなんだし、訴えたって無駄だぞ!金か!金が欲しいのか!?」
「…最低…」
またティアラがぼそりと呟いて身を翻してその場から去ってしまい、リロイはフォーンに侮蔑の視線を投げて去って行った。
さすがのラスも王族らしからぬ発言を繰り返すフォーンに対して眉間に皺を寄せたので、コハクはラスをさっと抱っこして美女たちに部屋から出るよう目配せをした。
すると美女たちが未だ泣きながら服をのろのろと着て立ち上がり、フォーンとすれ違いざまにぼそりと呟いた。
「言いふらしてやる」
「!だ、だからお前たちとは一緒に酒を飲んだだけで…」
まだ言い訳をしようとするフォーンの顔を見ることもなく去って行き、その場にはフォーンとコハクとラスだけ。
妙な間が流れると、フォーンは揉み手をしながらラスに近寄ろうとしたのだが…
「やっ」
「このチビハゲエロ王子が!チビに近付くんじゃねえ」
コハクの赤い瞳がぴかっと光ったと同時に身の毛がよだつほどの殺気を叩きつけられたフォーンは為す術もなくドアを鼻先で閉められた。
「チビ、お前今怒ってたろ。大丈夫か?」
「うん…。やっぱりあの人にはティアラはやれないよ。それとコー…胸毛生えてないよね?見てもいい?」
「!こらー!俺はハゲないし体毛薄いからだいじょぶ!……多分…」
だんだん心配になって来て、後で裸になってラスに確認してもらおうと決めた魔王はやっぱりヘンタイだった。