魔王と王女の物語②-Chain of destiny-【完】
「私は行かないよ、ヒキガエルさんと約束したもん!」
家の1番奥にあるキッチンまで追い詰められたラスは、差し伸べられたモグラの手の鋭い爪を見てごくりと喉を鳴らした。
「お嬢さんを傷つけたくないんだよ。だから一緒においで」
「や…やだ!悪いモグラさんに見えるからついて行かない!」
怖いだろうに脚を突っ張って拒絶するラスにいらっとしつつ萌えもしたモグラは絶対にラスを連れ去ってやろうとやる気満々でラスを瀬戸際まで追い込んだ時――
「ラスから離れるんだケロ!」
モグラの背中に飛び付いて首を絞めながら羽交い絞めをしたのはヒキガエルで、ラスが信頼に満ちた声を上げた。
「ヒキガエルさん!」
「今のうちに家の外に出ているんだケロ!このエロモグラめ、ラスは連れて行かせないケロ!」
「エロヒキガエルに言われたくねえ!いつの間にか沼に居着きやがって迷惑してたんだよ!」
…長年の恨みも重なってか、ラスと関係ない話が持ち上がったりしつつ、身体の大きな2匹が室内で大暴れするのでラスは慌てふためきながら真っ暗な外に飛び出た。
「ヒキガエルさん、危ないことしないで!」
言った傍からモグラの鋭い爪がヒキガエルの白いお腹に朱線を走らせた。
意外に深く切られたのかそのまま倒れ込み、ラスが駆け寄るとすぐさま手で傷口を抑えながらティアラからもらった石を取り出してあてた。
甲斐甲斐しく眉根を絞って心配げな顔をするラスもまた可愛らしく、モグラはますますヒキガエルに憤りを感じながらどすどすと大きな足音を立ててにじり寄った。
「ヒキガエルをこれ以上傷つけたくなければ一緒に土の中へ行こう」
――自分に親切にしてくれたヒキガエルにこれ以上傷を負わせるわけにはいかず、考えに考えて頷きかけた時――
「いだだだだっ!何をする!」
「え…」
仲良しになったインコがモグラの頭を突きまくっていた。
そしてモグラの肩にはリスが乗っていて肩に噛みつき、
モグラの強靭な脚にはウサギが噛みつき、モグラは七転八倒していた。
「離せ!やめろやめろ!」
「ラス、逃げて!」
皆が一斉に叫んだが、ラスが選んだ決断は――
家の1番奥にあるキッチンまで追い詰められたラスは、差し伸べられたモグラの手の鋭い爪を見てごくりと喉を鳴らした。
「お嬢さんを傷つけたくないんだよ。だから一緒においで」
「や…やだ!悪いモグラさんに見えるからついて行かない!」
怖いだろうに脚を突っ張って拒絶するラスにいらっとしつつ萌えもしたモグラは絶対にラスを連れ去ってやろうとやる気満々でラスを瀬戸際まで追い込んだ時――
「ラスから離れるんだケロ!」
モグラの背中に飛び付いて首を絞めながら羽交い絞めをしたのはヒキガエルで、ラスが信頼に満ちた声を上げた。
「ヒキガエルさん!」
「今のうちに家の外に出ているんだケロ!このエロモグラめ、ラスは連れて行かせないケロ!」
「エロヒキガエルに言われたくねえ!いつの間にか沼に居着きやがって迷惑してたんだよ!」
…長年の恨みも重なってか、ラスと関係ない話が持ち上がったりしつつ、身体の大きな2匹が室内で大暴れするのでラスは慌てふためきながら真っ暗な外に飛び出た。
「ヒキガエルさん、危ないことしないで!」
言った傍からモグラの鋭い爪がヒキガエルの白いお腹に朱線を走らせた。
意外に深く切られたのかそのまま倒れ込み、ラスが駆け寄るとすぐさま手で傷口を抑えながらティアラからもらった石を取り出してあてた。
甲斐甲斐しく眉根を絞って心配げな顔をするラスもまた可愛らしく、モグラはますますヒキガエルに憤りを感じながらどすどすと大きな足音を立ててにじり寄った。
「ヒキガエルをこれ以上傷つけたくなければ一緒に土の中へ行こう」
――自分に親切にしてくれたヒキガエルにこれ以上傷を負わせるわけにはいかず、考えに考えて頷きかけた時――
「いだだだだっ!何をする!」
「え…」
仲良しになったインコがモグラの頭を突きまくっていた。
そしてモグラの肩にはリスが乗っていて肩に噛みつき、
モグラの強靭な脚にはウサギが噛みつき、モグラは七転八倒していた。
「離せ!やめろやめろ!」
「ラス、逃げて!」
皆が一斉に叫んだが、ラスが選んだ決断は――