魔王と王女の物語②-Chain of destiny-【完】
引き留めたのだが、ヒキガエルは家を出て行き、ラスはウサギとリスとインコと一緒にベッドで眠った。
彼らの体温が心地よくてあっという間に朝になってしまい、インコから髪を突かれ、ウサギたちからくすくす笑われ、ようやく目を覚ましたラスは目を擦りながらウサギの耳を撫でた。
「もう朝なんだ…。お別れしなきゃいけないんだね」
「…お嬢さん、昨日助けた燕の所に行こうよ。そしてあの石とあの不思議な飲み物を飲ませてあげて」
「うん、わかった」
小川で顔を洗っている間ウサギとリスが髪が濡れないように背中側に回って髪を手で束ねてくれて、森の奥へ分け入ると昨日は横たわっていた燕がちょこんと座っていた。
「燕さん!起き上がれるようになったんだね!」
「今日はだいぶ調子がいいんだ」
「よかったね!じゃあ今日もこれを飲んでね。私はもうここを出て行くんだけど早く良くなるといいね」
そう言いながらラスが傷ついた右の翼の方へ回り込むと、ウサギとリスとインコは燕の口元に駆け寄り、何かをこそこそと燕に話していた。
ラスはそういう機微に疎いので相変わらず気付かないまま癒しの石を傷にあてて、もうほとんど傷口も見えないことに喜び、声を上げる。
「飛べるのもきっとすぐだよ。燕さん頑張って!」
励ますと、燕が両の翼を大きく広げて何度かばさばさと翼を動かして飛ぶような仕草を見せたのでその大きさに瞳を丸くして見上げていると、真っ黒な燕は背中を向けた。
「燕さん?」
「四精霊の城に行きたいんだろう?お嬢さんのおかげで怪我が治ったから僕が運んであげるよ。僕ならひとっ飛びだ」
「本当に!?でも…自分の脚で行かなきゃ意味がないんじゃないかな…」
「お嬢さんは僕を助けてくれたから恩返しがしたいし、そこのヒキガエルも同じだと思うよ。協力させてほしいんだ」
「ヒキガエルさん…」
燕の視線の先にはヒキガエルが所在無げに立っていて、振り向いたラスはヒキガエルと目が合うと駆け寄り、両手を握った。
「ヒキガエルさん…お別れだね」
「ラス…僕も行くケロ。行かせてくれケロ!」
「え?」
仲間ができた。
彼らの体温が心地よくてあっという間に朝になってしまい、インコから髪を突かれ、ウサギたちからくすくす笑われ、ようやく目を覚ましたラスは目を擦りながらウサギの耳を撫でた。
「もう朝なんだ…。お別れしなきゃいけないんだね」
「…お嬢さん、昨日助けた燕の所に行こうよ。そしてあの石とあの不思議な飲み物を飲ませてあげて」
「うん、わかった」
小川で顔を洗っている間ウサギとリスが髪が濡れないように背中側に回って髪を手で束ねてくれて、森の奥へ分け入ると昨日は横たわっていた燕がちょこんと座っていた。
「燕さん!起き上がれるようになったんだね!」
「今日はだいぶ調子がいいんだ」
「よかったね!じゃあ今日もこれを飲んでね。私はもうここを出て行くんだけど早く良くなるといいね」
そう言いながらラスが傷ついた右の翼の方へ回り込むと、ウサギとリスとインコは燕の口元に駆け寄り、何かをこそこそと燕に話していた。
ラスはそういう機微に疎いので相変わらず気付かないまま癒しの石を傷にあてて、もうほとんど傷口も見えないことに喜び、声を上げる。
「飛べるのもきっとすぐだよ。燕さん頑張って!」
励ますと、燕が両の翼を大きく広げて何度かばさばさと翼を動かして飛ぶような仕草を見せたのでその大きさに瞳を丸くして見上げていると、真っ黒な燕は背中を向けた。
「燕さん?」
「四精霊の城に行きたいんだろう?お嬢さんのおかげで怪我が治ったから僕が運んであげるよ。僕ならひとっ飛びだ」
「本当に!?でも…自分の脚で行かなきゃ意味がないんじゃないかな…」
「お嬢さんは僕を助けてくれたから恩返しがしたいし、そこのヒキガエルも同じだと思うよ。協力させてほしいんだ」
「ヒキガエルさん…」
燕の視線の先にはヒキガエルが所在無げに立っていて、振り向いたラスはヒキガエルと目が合うと駆け寄り、両手を握った。
「ヒキガエルさん…お別れだね」
「ラス…僕も行くケロ。行かせてくれケロ!」
「え?」
仲間ができた。