魔王と王女の物語②-Chain of destiny-【完】
フィリアは不安そうな表情で俯きながら隣を歩いているティアラの肩をそっと抱いた。
「どうしたの?お母様と会えて嬉しくはない?喜んでもらえると思っていたのに…」
「!ち、違います、とっても嬉しいの!でもお母様…執務が…」
「オーフェンに任せて来ました。ティアラ…私はあなたを心配してここへ来たのよ。一緒にお話をしましょう」
容姿も雰囲気もうちふたつのフィリアとティアラが肩を並べて歩いている様はラスを喜ばせて脚をばたばたさせた。
コハクはラスを落とさないように気を付けながらも、少しふくよかになったラスのお尻をにんまりしながら撫でつつ、耳たぶにキスをして囁いた。
「俺とチビに女の子ができたらあんな感じになるって。ああどうしようっ、俺絶対危険な想いになる!実の娘と禁断の…!」
「あ、コー着いたよ。邪魔にならないように隅っこでお話聴いてよ」
相変わらずラスにガン無視をされながらも頭の中を妄想でいっぱいにした色ぼけ魔王は、ティアラの部屋に着くとぴたりと脚を止めてフィリアに声をかけた。
「俺たち席外してるし。お前ら3人で話したほうが話しやすいだろ?」
「魔王…もしかして気を遣っているの?気持ち悪いからやめてちょうだい。あなたたちも同席してほしいの。ティアラ…良いお友達を持ったわね。ラス王女、ありがとう」
「ううん、ティアラと一緒に旅をしていた時から私迷惑かけっぱなしだったし、ティアラに幸せになってほしいの。じゃあお話の邪魔にならないようにあっちに居ますね」
ラスがにこりと笑いかけると、フィリアはティアラと手を繋いでソファに腰掛けた。
リロイはフィリアとティアラよりも立場が下であることもあって同じようにソファには座らなかったが、フィリアはリロイにソファに座るように強く促した。
「私は今から大切な話をします。だから立ち話は困るの。白騎士リロイ…あなたはティアラの隣に。ティアラ…まずはあなたの本音を聴かせて。お母様に全てを話してちょうだい」
――リロイの居る前で本音を語るのはさすがに憚られたが、だがフィリアがここまで会いに来たということは切迫した状態であるということ。
ラスたちが息を詰めて見守っている中、ティアラは隣のリロイを見上げると、その笑顔に癒されながら口を開いた。
「私は…リロイを愛しています。お母様…あの王子と結婚するのはいやです。あの王子と結婚する位なら私…死にます!」
ずっとずっと国民と国のために、と思っていたけれど――幸せになりたい。
きっとリロイがこのささいな夢を叶えてくれるはず――
「どうしたの?お母様と会えて嬉しくはない?喜んでもらえると思っていたのに…」
「!ち、違います、とっても嬉しいの!でもお母様…執務が…」
「オーフェンに任せて来ました。ティアラ…私はあなたを心配してここへ来たのよ。一緒にお話をしましょう」
容姿も雰囲気もうちふたつのフィリアとティアラが肩を並べて歩いている様はラスを喜ばせて脚をばたばたさせた。
コハクはラスを落とさないように気を付けながらも、少しふくよかになったラスのお尻をにんまりしながら撫でつつ、耳たぶにキスをして囁いた。
「俺とチビに女の子ができたらあんな感じになるって。ああどうしようっ、俺絶対危険な想いになる!実の娘と禁断の…!」
「あ、コー着いたよ。邪魔にならないように隅っこでお話聴いてよ」
相変わらずラスにガン無視をされながらも頭の中を妄想でいっぱいにした色ぼけ魔王は、ティアラの部屋に着くとぴたりと脚を止めてフィリアに声をかけた。
「俺たち席外してるし。お前ら3人で話したほうが話しやすいだろ?」
「魔王…もしかして気を遣っているの?気持ち悪いからやめてちょうだい。あなたたちも同席してほしいの。ティアラ…良いお友達を持ったわね。ラス王女、ありがとう」
「ううん、ティアラと一緒に旅をしていた時から私迷惑かけっぱなしだったし、ティアラに幸せになってほしいの。じゃあお話の邪魔にならないようにあっちに居ますね」
ラスがにこりと笑いかけると、フィリアはティアラと手を繋いでソファに腰掛けた。
リロイはフィリアとティアラよりも立場が下であることもあって同じようにソファには座らなかったが、フィリアはリロイにソファに座るように強く促した。
「私は今から大切な話をします。だから立ち話は困るの。白騎士リロイ…あなたはティアラの隣に。ティアラ…まずはあなたの本音を聴かせて。お母様に全てを話してちょうだい」
――リロイの居る前で本音を語るのはさすがに憚られたが、だがフィリアがここまで会いに来たということは切迫した状態であるということ。
ラスたちが息を詰めて見守っている中、ティアラは隣のリロイを見上げると、その笑顔に癒されながら口を開いた。
「私は…リロイを愛しています。お母様…あの王子と結婚するのはいやです。あの王子と結婚する位なら私…死にます!」
ずっとずっと国民と国のために、と思っていたけれど――幸せになりたい。
きっとリロイがこのささいな夢を叶えてくれるはず――