魔王と王女の物語②-Chain of destiny-【完】
ただコハクはそれ以上ラスを求めず、何度も唇を重ね合いながらもラスの頭を抱いて胸に押し付けた。
「コー…?」
「あのさチビ…俺…また不完全になっちまったんだ」
「え?どういう意味?」
「それは私たちが教えてあげるわ」
…いつから盗み見をしていたのか、ぞろぞろと部屋の中へ入って来たのは四精霊だ。
「精霊さんたち!コーを助けてくれてありがとう!」
満面の笑顔で身体を起こして駆け寄ろうとしたラスの腕を引いて腕の中に倒れ込ませると、コハクは唇を尖らせて鼻を鳴らした。
「ちっ、邪魔しやがって」
「あらあら、私たちはあなたの命の恩人なのよ?」
サラマンダーは黙ったまま壁に寄りかかって腕を組んでいたが、ウンディーネ、シルフィード、ノームはラスを膝に乗っけたまま離さないコハクの傍に寄って床に腰を下ろした。
きらきらした熱い瞳で四精霊を見つめるラスにきりきりしっぱなしの魔王はラスの瞳を手で隠してしまいたかったが、ぐっと堪えて話を促した。
「早く話せよ」
「じゃあさくっと言うわね。おチビさん、さっきのコハクの“不完全”って意味なんだけど…コハクはまだ人間界に戻れないのよ」
「…え?どうして?コー…一緒に戻れないの?」
「チビ…ちゃんと話すからよく聴いてくれ。いいな?」
…嫌な予感がした。
だからコハクの胸に顔を押し付け、背中に腕を回すといやいやと首を振ってコハクと四精霊を困らせてしまった。
「やだ!コーと一緒に帰るんだから!どうして駄目なの?どうして?」
「おチビさん、これを見て」
顔を上げたくなかったが、落ち着くまでコハクに背中を撫でられて意を決して顔を上げると…
ウンディーネとシルフィードの手には、ホワイトストーンとイエローストーンが乗っていた。
「この石たちが魔法剣を止めたのよ。この石がコハクの身体の中にあったから、魔法剣の力を相殺したの。でもこうして欠けてしまったわ」
「じゃあ…どうすればいいの?」
「これは返してあげるけど、元に戻るためにはある条件をクリアしなきゃ駄目なの。おチビさんにはそれをやってもらうわ」
試練、再び。
「コー…?」
「あのさチビ…俺…また不完全になっちまったんだ」
「え?どういう意味?」
「それは私たちが教えてあげるわ」
…いつから盗み見をしていたのか、ぞろぞろと部屋の中へ入って来たのは四精霊だ。
「精霊さんたち!コーを助けてくれてありがとう!」
満面の笑顔で身体を起こして駆け寄ろうとしたラスの腕を引いて腕の中に倒れ込ませると、コハクは唇を尖らせて鼻を鳴らした。
「ちっ、邪魔しやがって」
「あらあら、私たちはあなたの命の恩人なのよ?」
サラマンダーは黙ったまま壁に寄りかかって腕を組んでいたが、ウンディーネ、シルフィード、ノームはラスを膝に乗っけたまま離さないコハクの傍に寄って床に腰を下ろした。
きらきらした熱い瞳で四精霊を見つめるラスにきりきりしっぱなしの魔王はラスの瞳を手で隠してしまいたかったが、ぐっと堪えて話を促した。
「早く話せよ」
「じゃあさくっと言うわね。おチビさん、さっきのコハクの“不完全”って意味なんだけど…コハクはまだ人間界に戻れないのよ」
「…え?どうして?コー…一緒に戻れないの?」
「チビ…ちゃんと話すからよく聴いてくれ。いいな?」
…嫌な予感がした。
だからコハクの胸に顔を押し付け、背中に腕を回すといやいやと首を振ってコハクと四精霊を困らせてしまった。
「やだ!コーと一緒に帰るんだから!どうして駄目なの?どうして?」
「おチビさん、これを見て」
顔を上げたくなかったが、落ち着くまでコハクに背中を撫でられて意を決して顔を上げると…
ウンディーネとシルフィードの手には、ホワイトストーンとイエローストーンが乗っていた。
「この石たちが魔法剣を止めたのよ。この石がコハクの身体の中にあったから、魔法剣の力を相殺したの。でもこうして欠けてしまったわ」
「じゃあ…どうすればいいの?」
「これは返してあげるけど、元に戻るためにはある条件をクリアしなきゃ駄目なの。おチビさんにはそれをやってもらうわ」
試練、再び。