魔王と王女の物語②-Chain of destiny-【完】
おまけSS 魔王と愉快な家族たち
★おまけSS★
「くっそーっ、今度こそやっつけてやるからな!」
「おう、いつでもかかって来い、弱虫勇者共め」
小さな勇者たちは毎日何回もコハクに戦いを挑んで来る。
もちろん手加減をしてやっているのだが、半べそをかいて部屋から飛び出して行った小さな勇者たちについて、コハクは悩みを抱えていた。
「なあチビ、相談があるんだけど」
「うん、聞いてあげる。どうしたの?」
一緒にソファに座っていたラスは、エンジェルが描いてくれた似顔絵を優しい気持ちで見ながら聞いてみたが、コハクは言いにくそうに何度も口を開いたり閉じたりしている。
最初は顔を上げなかったラスだったが、ちらっとコハクを盗み見ると、何故か頬は少し赤くなっていた。
「コー?」
「あのさあ…あいつら、俺のこと“パパ”って呼ばなくなってどの位経った?またパパって呼んでほしいんだけど!」
「エンジェルがパパって言ってるからいいんじゃない?それよりも今日の連携攻撃すごかったね。コー、指が切れてるよ」
コハクの指先からは少しだけ血が出ていたので、何も考えていないラスがコハクの手を引き寄せて血が出ている人差し指を口に含んでぺろぺろしてやると、早速魔王、コーフン。
「ち、チビっ」
「もおやだ、鼻息が顔にかかってくすぐったいっ。ねえコー、見て。エンジェルが私の似顔絵描いてくれたんだよ」
まだ4歳のエンジェルが一生懸命描いてくれた絵は、黄色と緑のクレヨンで髪と瞳の色を表現し、ピンク色のドレスのようなものを着た可愛らしいイラストと、それに紙の端にメッセージが添えられていた。
『ママと同じで嬉しい!』
そう書かれた絵に嫉妬したコハクは、何に嫉妬しているのかももうわからなくなりつつも、どたどたと地団駄を踏んで大きな手で顔を覆った。
「可愛い!俺のエンジェル、サイコー!」
「今お昼寝してると思うけど、見に行く?」
「行く!あとチビともいきたい!」
「え?だから一緒に行こうって言ってるでしょ?」
「一緒に!?チビのと意味は違うけどまあいっか、今夜…ふふふふ」
相変わらず意味のわからないことを口にしては不気味な笑い声を漏らすコハクを無視したラスが立ち上がると、慌てたコハクがさっとラスを姫抱っこして一路子供部屋を目指した。
そしてエンジェルは…
まさに天使のような寝顔で、すやすやと眠っていた。
「くっそーっ、今度こそやっつけてやるからな!」
「おう、いつでもかかって来い、弱虫勇者共め」
小さな勇者たちは毎日何回もコハクに戦いを挑んで来る。
もちろん手加減をしてやっているのだが、半べそをかいて部屋から飛び出して行った小さな勇者たちについて、コハクは悩みを抱えていた。
「なあチビ、相談があるんだけど」
「うん、聞いてあげる。どうしたの?」
一緒にソファに座っていたラスは、エンジェルが描いてくれた似顔絵を優しい気持ちで見ながら聞いてみたが、コハクは言いにくそうに何度も口を開いたり閉じたりしている。
最初は顔を上げなかったラスだったが、ちらっとコハクを盗み見ると、何故か頬は少し赤くなっていた。
「コー?」
「あのさあ…あいつら、俺のこと“パパ”って呼ばなくなってどの位経った?またパパって呼んでほしいんだけど!」
「エンジェルがパパって言ってるからいいんじゃない?それよりも今日の連携攻撃すごかったね。コー、指が切れてるよ」
コハクの指先からは少しだけ血が出ていたので、何も考えていないラスがコハクの手を引き寄せて血が出ている人差し指を口に含んでぺろぺろしてやると、早速魔王、コーフン。
「ち、チビっ」
「もおやだ、鼻息が顔にかかってくすぐったいっ。ねえコー、見て。エンジェルが私の似顔絵描いてくれたんだよ」
まだ4歳のエンジェルが一生懸命描いてくれた絵は、黄色と緑のクレヨンで髪と瞳の色を表現し、ピンク色のドレスのようなものを着た可愛らしいイラストと、それに紙の端にメッセージが添えられていた。
『ママと同じで嬉しい!』
そう書かれた絵に嫉妬したコハクは、何に嫉妬しているのかももうわからなくなりつつも、どたどたと地団駄を踏んで大きな手で顔を覆った。
「可愛い!俺のエンジェル、サイコー!」
「今お昼寝してると思うけど、見に行く?」
「行く!あとチビともいきたい!」
「え?だから一緒に行こうって言ってるでしょ?」
「一緒に!?チビのと意味は違うけどまあいっか、今夜…ふふふふ」
相変わらず意味のわからないことを口にしては不気味な笑い声を漏らすコハクを無視したラスが立ち上がると、慌てたコハクがさっとラスを姫抱っこして一路子供部屋を目指した。
そしてエンジェルは…
まさに天使のような寝顔で、すやすやと眠っていた。