魔王と王女の物語②-Chain of destiny-【完】
「うわぁーっ、ボーンファイターが出たーっ!」
「お前は隠れてろ!ほら、あそこのごつごつした岩のとこ!」
住処に土足で上がり込まれて激怒した人型の骨だけの魔物であるボーンファイターが剣を手に数体近寄って来ると、兄は弟を背中に庇いながら大きな岩陰に隠れるように命令した。
弟は絶対的に兄を信じているので、言う通りにしゃにむに走って岩陰に隠れると、兄は守るものがなくなって口許に無邪気な笑みを浮かべながら、腰に下げていた鞘から剣を抜いた。
「お前は剣で叩いてもすぐ元通りになるけど、俺は違うんだからな。ほら、見てろ」
魔法よりも剣の方が得意なだけで口で何か小さく呟きながら刀身を人差し指で撫でると、剣は真っ白な光を放って輝いた。
勇者として何者にも負けたくないと思っている兄は勝気で、魔法が得意な弟は岩陰から炎属性の魔物が苦手な氷の矢を放ちながら歓声を上げた。
「お兄ちゃーん、頑張れーっ!」
魔法の効果で魔物が斬れる効果を備えた剣を手に果敢にボーンファイターに突っ込んで行った兄は、まだ小さくて小回りが利くことをいいことに、ボーンファイターの腕の下や股下を潜り抜けて背後に回ると、無駄のない動作でボーンファイターを屠っていく。
弟が逐一歓声を上げるので、残ったボーンファイターたちが弟の方に目をつけてしまい、脚が弟に向かうと、それまで余裕だった兄の顔つきが変わった。
「弟にちょっかい出すなー!」
「お兄ちゃん、助けてーっ!」
弟がボーンファイターに追いかけられて逃げ惑っている姿が鮮明に瞳に焼き付いた兄は、身体から殺気を噴き出しながら疾風のように駆けると、すれ違い様に次々に斬りつけてうずくまっている弟の元に駆け付けた。
「大丈夫かっ?怪我してないか!?」
「うん、大丈夫!やっぱりお兄ちゃんは最高にかっこよくて強いよ!」
「へへっ、お兄ちゃんはなんでもできるんだ。お前が無事でよかった」
自慢げに胸を張って背を向けた兄を誉め立てた弟はまだ足元で動いていたボーンファイターに兄に知られないように魔法で止めを刺しながら手を繋いだ。
奥へ進むごとに足元は頼りない一本道になり、周りは溶岩がぐつぐつと煮えたぎっているので1歩でも踏み間違えば、あっという間に骨まで溶けてしまう。
しっかりを前を見据えて前進する小さな勇者たちは、遠くに見える山のように大きな黒いドラゴンの姿を発見して瞳を細めた。
「見つけた!よし、行くぞ!」
弟が誤って落ちないようにしっかりと手を繋ぎながらも、ドラゴンと戦う興奮に血が騒いでいた。
「お前は隠れてろ!ほら、あそこのごつごつした岩のとこ!」
住処に土足で上がり込まれて激怒した人型の骨だけの魔物であるボーンファイターが剣を手に数体近寄って来ると、兄は弟を背中に庇いながら大きな岩陰に隠れるように命令した。
弟は絶対的に兄を信じているので、言う通りにしゃにむに走って岩陰に隠れると、兄は守るものがなくなって口許に無邪気な笑みを浮かべながら、腰に下げていた鞘から剣を抜いた。
「お前は剣で叩いてもすぐ元通りになるけど、俺は違うんだからな。ほら、見てろ」
魔法よりも剣の方が得意なだけで口で何か小さく呟きながら刀身を人差し指で撫でると、剣は真っ白な光を放って輝いた。
勇者として何者にも負けたくないと思っている兄は勝気で、魔法が得意な弟は岩陰から炎属性の魔物が苦手な氷の矢を放ちながら歓声を上げた。
「お兄ちゃーん、頑張れーっ!」
魔法の効果で魔物が斬れる効果を備えた剣を手に果敢にボーンファイターに突っ込んで行った兄は、まだ小さくて小回りが利くことをいいことに、ボーンファイターの腕の下や股下を潜り抜けて背後に回ると、無駄のない動作でボーンファイターを屠っていく。
弟が逐一歓声を上げるので、残ったボーンファイターたちが弟の方に目をつけてしまい、脚が弟に向かうと、それまで余裕だった兄の顔つきが変わった。
「弟にちょっかい出すなー!」
「お兄ちゃん、助けてーっ!」
弟がボーンファイターに追いかけられて逃げ惑っている姿が鮮明に瞳に焼き付いた兄は、身体から殺気を噴き出しながら疾風のように駆けると、すれ違い様に次々に斬りつけてうずくまっている弟の元に駆け付けた。
「大丈夫かっ?怪我してないか!?」
「うん、大丈夫!やっぱりお兄ちゃんは最高にかっこよくて強いよ!」
「へへっ、お兄ちゃんはなんでもできるんだ。お前が無事でよかった」
自慢げに胸を張って背を向けた兄を誉め立てた弟はまだ足元で動いていたボーンファイターに兄に知られないように魔法で止めを刺しながら手を繋いだ。
奥へ進むごとに足元は頼りない一本道になり、周りは溶岩がぐつぐつと煮えたぎっているので1歩でも踏み間違えば、あっという間に骨まで溶けてしまう。
しっかりを前を見据えて前進する小さな勇者たちは、遠くに見える山のように大きな黒いドラゴンの姿を発見して瞳を細めた。
「見つけた!よし、行くぞ!」
弟が誤って落ちないようにしっかりと手を繋ぎながらも、ドラゴンと戦う興奮に血が騒いでいた。