紅い月
千代と八重子




八重子は、昔から違和感を持っていた。

自分の身体が女であるということに。

それは年を重ねるにつれ、違和感から確信へと変わる。

胸の膨らみが疎ましい。

もともと痩せっぽちだった八重子は、何故か身長だけがぐいぐいと伸び、女の子らしい柔らかさのない身体つきだった。

それなのに、それなのに!

八重子の身体はどんどん女になっていく。

ああ。

私はどうして。

女に生まれたんだろう。
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