終わらない歌

「絆か。ええ名前じゃな。」


そうかな。

僕はよく分からなかった。


「絆。お前さんは、人間界から選ばれた、たった一人の人間なんじゃ。なぜお前さんが選ばれたかは、後で言うとして。どうしてお前さんがここにいるのかを説明しようか。…それは、絆に…。」


僕はおじいさんの言葉を黙って待った。


「絆に探偵になってもらうためじゃ。」


おじいさんが目を細めながら言った。


探偵……。

そりゃ、推理小説は好きだけども。

よりによって何で僕が?
その場に固まって考えていると、おじいさんが、

「分かるか?」

と聞いてきた。
< 21 / 35 >

この作品をシェア

pagetop