終わらない歌
「絆か。ええ名前じゃな。」
そうかな。
僕はよく分からなかった。
「絆。お前さんは、人間界から選ばれた、たった一人の人間なんじゃ。なぜお前さんが選ばれたかは、後で言うとして。どうしてお前さんがここにいるのかを説明しようか。…それは、絆に…。」
僕はおじいさんの言葉を黙って待った。
「絆に探偵になってもらうためじゃ。」
おじいさんが目を細めながら言った。
探偵……。
そりゃ、推理小説は好きだけども。
よりによって何で僕が?
その場に固まって考えていると、おじいさんが、
「分かるか?」
と聞いてきた。