ハニー×ビター
ちょっとは心配してくれてるかな
そんなわけないか

もう……無理や
白石先輩に釣り合うのは
あの里奈って人みたいに綺麗な人やもん
私何か先輩に似合わん
きっと先輩のタイプからもはずれてる
私が期待するような言葉は先輩にとっては“道具”なんや

もう帰ろうかな
立ち止まっていた足をまた進めた

「美春…」やばい幻聴?
白石先輩の声が聞こえる

「美春!!」
私は思いっきり手を引かれた

幻聴ちゃうかったんや……てか、何で追いかけて来てくれたん?もう、あきらめようとしたのに……でも……言わなきゃ……
「さっきはごめんな?あいつらもうどっか行ったから『良いんです!』

─ドーン─

私達の上には色とりどり
綺麗な花火が止まる事なく夜空に打ち上げられている
私の大声は花火によって
かき消された

『私はもう帰りますし、先輩はさっきの人と花火、楽しんで下さい……』





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