ハニー×ビター
けど、最後に私の気持ち言って良いかな……
これで、あきらめるって決めたから……

『先輩……大好きでした』
先輩の顔を見ずに後ろを向きながらこう言うのが
精一杯……
何で信じられへんのやろ…あんな、真っ直ぐ見てくれた目を疑ったん? 私はそのまま走った
浴衣って事何か忘れるぐらいに、痛い足の事も忘れるぐらいに……でも、さっきの先輩の言葉と私を真っ直ぐ見ていた目だけは、忘れられなかった『ハァハァ……』

立ち止まった時に足の痛さに気づいた

『いたッ………』

私はしゃがみこんで足の
傷を見た

あ、水ぶくれなってる……しかも、もう破裂してるやん……
私の右足の薬指と小指は、指の皮が破けて赤い身が見えていた

私の心も包みこんでたものが破けたんかな……だから、こんなに心が痛いん?だから、涙が止まれへんの?







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