My Love―お兄ちゃんとどこまでも―
私は“顔色が悪い”と言われながらも、お昼まで何とか働いた。

でも、お昼ご飯が入らない。



「沙亜矢ちゃん、今日は早退して病院に行きなさい。年末は休みになるんだから」



ママさんにそう言われて、気が引けながらも早引きさせて貰った。

午後の診療開始の時間まで、公園で時間を潰して病院へと行く。

内申書を記入し、一番に来た為すぐに診察は行われた。



「吐き気だけ?他に気になる事はない?」



「特に気にした事は……」



今一ピンと来ない私は、何故か大学病院にたらい回しされた。

詳しい検査をして来てと。

紹介状を書いては貰えたけど、病院代が無駄。

しかし、紹介状の代金も払った為、私は雪が降りそうな空の下を歩き、何とか大学病院へ。

細かい検査をし、総合診療科で診察を待ってると、女性の先生に呼ばれて安心した。



「藤森さん。貴方、本当に性交渉はしてない?」



「…………」



「まぁ良いわ。今、妊娠4ヶ月。産むにしても、産まないにしても一度、産婦人科に親御さんと相手の方と話し合い、一緒に来なさい」



「……わかりました」



隠しても無意味だった診断結果を聞かされて、涙を堪えながら診察室を出ると、足の力が抜けて長椅子にドンッと座り込んだ。

ショックとしか言えない。

…あの人の……。

父親の子供なんて……。
< 20 / 74 >

この作品をシェア

pagetop