My Love―お兄ちゃんとどこまでも―
そりゃあ、確かにお兄ちゃんは結婚しててもおかしくはない年齢。

なのに、私が家を出たらなんて……。

本当に、離れてしまう。

出なければ、どうなるの……?



「……お風呂入って来る」



「ゆっくり入れよ」



部屋を出て、リビングで雑魚寝する父親を避けながら、脱衣場へ行く。

下腹部に手を当てれば、もう痛みはなかった。

痛むのは、心だけだ。

バスルームに入ると、いつもより熱めのシャワーを頭から浴びた。

1人で立ち上がったら、誰の手も借りずに進んで行かなければならない。

そんな事が、私に出来るんだろうか。

しなきゃいけないのに、自信がない。

かといって、お兄ちゃんに甘え続ける……?

家に残ってでも、お兄ちゃんを繋ぎ止める……?

ねぇ、パパ……。

何が、正しいの?

正しい道は、どこにあるの……?

航空会社を私は受けて、お兄ちゃんは結婚。

もしくは近場で適当に就職して、父親にまた襲われても、お兄ちゃんと暮らす。

どっちも……嫌だ。

どっちも、今は選べない……。

私に、正解を教えて――…。




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