My Love―お兄ちゃんとどこまでも―
act.3



長湯してしまい、逆上せる寸前で入浴を終えた。

タオルで頭を拭いながら、キッチンへ。

水を飲みながら、欠伸を漏らす。

明日は年内最後のバイト。

お兄ちゃんと母親は、明日から休みになるらしい。



「……待て」



グラスを片し、部屋に戻ろうとした刹那。

足首を掴まれた。



「離して……」



「あ゛?」



「離して――ッ!!」



ーーバンッ

父親を見下ろしながら叫ぶと、襖が力強く開いた。

お兄ちゃんがこちらを見るが、父親は手を離して寝たふりをしてる。



「……親父。沙亜矢に何したんだ」



「…………」



「親父!!」



「足に、手が触れただけだ」



…嘘ばっかり。

部屋に入り、ベッドの梯子を勢い良く上がって布団へ潜り込んだ。



「殴られたりしてないか?」



お兄ちゃんが追い掛けて来て、毛布を捲ろうとしてるけど、私は布団から手を離さなかった。

もう正直、全てを話して私はここから居なくなりたかった。

だけど情けない顔は見せたくないし、お兄ちゃんがどんな表情をするか怖くて見たくないけど。



「……お兄ちゃん」



「何だ?」



「私は、どうしたら良いの……」



お兄ちゃんとは離れたくないのに、この家が嫌。

父親を見るのも嫌。



「沙亜矢……」



「私は、いつまでこの気持ちを我慢すれば良いのかな……」



お兄ちゃんを好きって想い。

ここから消えたい気持ちも。
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