My Love―お兄ちゃんとどこまでも―
寝ずに朝を迎えて、私は仕事納めとなる年内で最後のバイトへと向かった。

お兄ちゃんはまだ眠ってるみたいで、声を掛けずに家を出た。

夜中に降ってたらしい雪が、少しばかり積もってる。

滑りそうになりながらもお店に着き、さっさと着替えを済ませた。

今日は20時までで、それからは大掃除。



「沙亜矢、これ食べる?」



砂糖や塩などを補充してると、光希ちゃんが大きなおにぎりを持って来た。



「大き過ぎない??」



「唐揚げ・鮭・昆布が入った爆弾おにぎりだからね」



…何でそんなモノを;;

私はオーナーと半分ずつして食べる事にした。



「あ!ちなみにコレ、加古さんの大好物」



「加古さんと親しくなったんだね」



ママさんが開店させてしまった為、私はコーヒー豆を挽きながら会話を続けた。

光希ちゃんはグラスに氷を入れ、水を注いで行く。



「子持ちだから、別に結婚とか付き合いたいとかはないんだけどねー……」



「私は、兄妹より良いと思うよ」



本心だった。

子持ちだからと諦めてる光希ちゃんに、少しイラッとしてしまった。

自分と子供を愛してくれる人なら良いと思う。

父親と私は上手くいかなかったけど。

加古さんならと、思う。
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