My Love―お兄ちゃんとどこまでも―
「沙亜矢も。自分たちの関係、一から見直しなさい」



「私たちの、“関係”?」



ハテナでいっぱいになる私を前に、光希ちゃんはコーヒーを運んで行く。

オーナーに「どういう事かわかります?」と訊ねても、首を傾げられた。



「BLTサンド一つお願い」



「了解」



…私とお兄ちゃん。

サンドイッチを作りながら考えるも、全く答えが出ない私。



「ヒントは、藤森家はステップファミリー」



…子持ち同士の再婚て事でしょ?



「あ……他人だ」



「後どうするかは、沙亜矢次第だけどね」



そう言われると、どう行動すれば良いのかわからない。

あれこれ考えても、“ダメだ”と諦めてる。

数学より、難しい問題。

体より頭が疲れ、13時からの昼休みになるとすぐに控え室に入った。

賄いは、このお店でオーナーしか作れないハヤシライス。

これは、ママさんも作り方を知らなくて。

作るのに3日を要する為に、月に一回出るかもわからない。



「希、大人しくしてるかなー」



「曾祖母ちゃん、わざわざ来てくれて優しいね」



「母親の方は若いからね」



2人でハヤシライスを食べながら、希ちゃんの話をした。

光希ちゃんの携帯の待ち受けには、笑顔の希ちゃん。

希ちゃんの笑顔とハヤシライスのお陰で、午後も頑張れそう。




< 29 / 74 >

この作品をシェア

pagetop