My Love―お兄ちゃんとどこまでも―



「ただいま……」



大掃除も無事に終わり、私は帰宅した。

こんな時間にしては珍しく、誰も家に居ない。

気にしないつもりが、テーブルには【龍児君の彼女たち家族と食事へ行く事になりました。ホイル焼き温めて食べてね】と、母親からの置き手紙があった。

思わず手紙を握り潰した。

ゴミ箱へ捨て、食事もせずに寝る体勢。

しかし落ち着かず、お風呂へと向かった。

鏡に映った体には、まだキスマークがある。

直視しないのは、自分の体に付いてると思いたくないから。

シャワーを浴びながら、お兄ちゃんの結婚が近付いてる事を忘れようとした。

なのに、すぐに思い出しては私は現実の辛さを再確認。

…私……。

本当に、1人で生きて行く時が来たのかも知れない。

父親との嫌な記憶を、背負ったままで。

ーーガバッ



「…………っ!?」



「――わ、悪いっ!!;;」



お風呂から上がった瞬間、脱衣場でお兄ちゃんに遭遇した。

鏡を前に、何かをしてたお兄ちゃんは、慌てて脱衣場を飛び出した。

…見られた……?

え……、どこまで?

キスマークまで、見えてないと良いけど。

昔は一緒にお風呂に入れたけど、今はさすがに無理で。

お互いに大人になっただけじゃなくて、私には……。
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