My Love―お兄ちゃんとどこまでも―
―龍児 SIDE―
取引先で知り合った、信頼の置ける加古さん。
昔は高校の番同士として会ってた人。
呼び出された時は、沙亜矢への気持ちに気付いてなかった。
指定されたファミレスに行くと、何故か沙亜矢のバイト先の子。
光希ちゃんと、その娘が居た。
「急にお呼び立てしてすいません。せっかくのお休みなのに」
「それは良いんですが、何かあったんですか?」
2人が一緒に居る事もさることながら、俺は沙亜矢が持ってたであろうピルが気になる。
何故、あいつが持ってるんだ。
付き合ってるヤツが居るとも思えないし。
今の俺に、2人の話を聞く余裕はあるだろうか。
「いきなりですが、沙亜矢は今、私の母親と病院に行ってます」
「……“病院”?」
確かに昨日と今日、沙亜矢は元気があるようには見えなかった。
しかし、親父が居るからだと思ってた。
家ではいつも浮かない顔してる。
あいつは気付いてないが、綺麗な顔立ちをしてるから周りは何も言わないが、見た目は相当暗い。
「あの子は、3年も前から藤森さんのお父さんからレイプされてるんです。それで妊娠をしてしまって……。今、堕胎しに行ってます」
「…………」
…嘘だろ……?
固まる俺を他所に、光希ちゃんは悔しそうな顔で言い切った。
親父への苛立ち。
沙亜矢を思うと、懺悔ばかりが込み上げる。
何で、もっとちゃんとあいつを見てやれなかったんだろうか。
沙亜矢を苦しめたのは、親父だけじゃない。
――俺もだ。
取引先で知り合った、信頼の置ける加古さん。
昔は高校の番同士として会ってた人。
呼び出された時は、沙亜矢への気持ちに気付いてなかった。
指定されたファミレスに行くと、何故か沙亜矢のバイト先の子。
光希ちゃんと、その娘が居た。
「急にお呼び立てしてすいません。せっかくのお休みなのに」
「それは良いんですが、何かあったんですか?」
2人が一緒に居る事もさることながら、俺は沙亜矢が持ってたであろうピルが気になる。
何故、あいつが持ってるんだ。
付き合ってるヤツが居るとも思えないし。
今の俺に、2人の話を聞く余裕はあるだろうか。
「いきなりですが、沙亜矢は今、私の母親と病院に行ってます」
「……“病院”?」
確かに昨日と今日、沙亜矢は元気があるようには見えなかった。
しかし、親父が居るからだと思ってた。
家ではいつも浮かない顔してる。
あいつは気付いてないが、綺麗な顔立ちをしてるから周りは何も言わないが、見た目は相当暗い。
「あの子は、3年も前から藤森さんのお父さんからレイプされてるんです。それで妊娠をしてしまって……。今、堕胎しに行ってます」
「…………」
…嘘だろ……?
固まる俺を他所に、光希ちゃんは悔しそうな顔で言い切った。
親父への苛立ち。
沙亜矢を思うと、懺悔ばかりが込み上げる。
何で、もっとちゃんとあいつを見てやれなかったんだろうか。
沙亜矢を苦しめたのは、親父だけじゃない。
――俺もだ。