My Love―お兄ちゃんとどこまでも―
「はぁぁ――ッ!!?」
翌日、お兄ちゃんにお店まで送って貰った。
昨日の話を光希ちゃんにすると、いきなり叫ばれた。
「あんたら馬鹿?キスして解決する問題なの?」
「違うけど;;」
話をし過ぎた。
それに、キスをしたのは向こうから。
昨日は決して私からではない。
しかも、私は龍児が仕事を辞めたがってる事について話したかったのに、そこに食い付くか……。
「藤森さん、もしかして初恋なんじゃない?」
「はい?;;」
「一つの事しか見えてないじゃん!仕事を辞めるのって、そんな簡単な事じゃないでしょ?単細胞なんだね」
…じゃあ、他に方法が?
食い入るように光希ちゃんを見つめると、「他人に戻れば?」と言われた。
「戻る……?」
どういう意味だか、私にはさっぱり。
「本当のお父さんの籍に戻れば?そしたら、何の問題もなく結婚する事も可能でしょ」
…お父さん……。
記憶にない人で、誰なのかもわからない。
私の中では、もう亡くなってる。
会えないって事は、そうだと思ってる。
それに物心が付いた時には藤森姓で。
母親の旧姓は小谷ーコタニー。
役所に行けば、わかるのかな……。
でも、離婚の原因も知らずに探して良いものか。
私はバイトが終わり、光希ちゃんに協力を得て、母親に≪光希ちゃん家に泊まる≫とメールし。
母方の祖母の家へと向かった。
お祖母ちゃんなら知ってるだろうから。