My Love―お兄ちゃんとどこまでも―
父親は、母親がマンションに上がろうと嫌がらない為、私は迷わず頷いた。



「龍児君も呼んで、外食でもしよっか?」



「賛成!」


けど、母親は遠慮してるんだろう。

けど、この提案は嬉しい。

そうと決まれば、早速龍児にメールを送った。

≪お母さんと外食する事になったから、一緒に行かない?≫

お兄ちゃんの会社の傍に、美味しいオムライスのお店があるって、聞いた事もあるし。

そこへ行こうとも、付け足しておいた。

≪わかった。さっさと仕事終わらす≫

返事はすぐに来て、OKも出た。

マンションへと一度、戻る。

母親に手伝って貰いながら、ジャージからワンピースに着替え、髪を結い上げる。

メイクはした事ない為、洗濯物を取り込んで片付けて。

時間が来るのをただただ待った。

≪エッフェル塔の置物なんてどうだろうか≫

≪何でも良いって言ったけど、もう小さいの貰ったから、他の物してくれない?≫

パリの街を、フライトメンバーで散策をしてるらしい父親からのメールが届き、即座に返信。

だいぶ親子らしくなって来た。

父親の優しさにも慣れた。

しかし、父親は少し癖のある人だった。

お土産=形に残るものばかり。

たまにはパリの美味しいお菓子とかが、欲しいんだけどな……;;




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