My Love―お兄ちゃんとどこまでも―
思わず、母親とハモってしまった。

驚きを通り越してしまったのか、固まる私たち。



「何だよ、その顔は」



「ちょっ!にゃに!」



私の頬を摘まんで引っ張る龍児。

顔なんてどうでも良いから、質問の意味を教えてよ。



「龍児君……、最初、有紀さんとデートしたんじゃないの?;;」



「いえ?だって大晦日に別れたし、単なる取引先の令嬢なんで会いませんよ」



「ごめん、私、頭が追い着かない……;;」



龍児の口振りに、母親も嘘ではないとわかっただろう。

じゃあ、さっきの藍川原さんとの話はなんだったのか。



「沙亜矢、俺も意味わかんねぇ」



「だから、さっき私たちは藍川原さんとカフェでたまたま会って――…」



私だって、龍児が大晦日には藍川原さんと別れてたなんて知らなくて、意味わからない。

しかし、さっきの出来事を話すと、龍児は眉間にシワを寄せながらビールを一口。



「お前さ、そりゃねぇだろ」



「わ、私!?;;」



…何で私が怒られなきゃいけないの?

悪いのは、私たちを混乱させる嘘を吐いた藍川原さんなんじゃないの?;;



「俺、二股掛けた事ねぇよ。何しにお前とあいつを?彼氏である俺を信用してねぇんだな」



「え……?;;」



「ちょっと、待って!」



…それは言ったらダメでしょ?
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