My Love―お兄ちゃんとどこまでも―
各デスクに振られる番号。

私は自身が担当するフライトを確認し、着いて早々にパソコンを起ち上げて天候を確認し、飛行プランを作成して行く。

そして、1回1回手の空いてる先輩ディパーチャーに確認、承諾を貰う。



「福岡行き352便のディスパッチブリーフィングを始めます。よろしくお願いします」



CAさんはCAさんでブリーフィングを済ませてるものの、飛行機で合流後、合同のブリーフィングにも関わる重要な内容が含まれてる。

私はいくら渡すプリントだろうと、一語一句漏らさず伝えて行く。



「気を付けていってらっしゃいませ」



そして、質問や不明点がないかを確認してから頭を下げた。



「長田さんて、長田機長の娘さんだったんだって?」



そして次の飛行プランの作成取り掛かろうとしたのに、まだ海外フライトの経験もない入社したての副操縦士のパイロットに捕まった。

しかし、この人はただのパイロットじゃない。

正式にパイロットとして認められる金のラインが1本もない、見習いの“カラス”である。



「そうですが、何か」



公私混同をしないとは言い切れない。

でも、表立ってするつもりもない。

素っ気なく返事をしてると、カウンターに肘を乗せながら、顔を近付けて来た。
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