My Love―お兄ちゃんとどこまでも―
「てめぇも殺られたいんか!」



「私だけでならどうぞ」



「はぁ?」



「光希ちゃんに手を出さないで下さいと、お願いしています」



人を見下すような態度。

頭に血が上ると、人の話をあまり聞いてないような所。

あの人に……父親によく似てる。



「沙亜矢!あんたは中に戻って!これは私たちの問題だから!」



「光希ちゃんが傷付いた顔したら、希ーノゾミーちゃんが悲しむから嫌だ!」



幼いながら、希ちゃんはママの悲しみ。

苦しみをちゃんと覚えてるんだ。

だから、守らないと。

守らないといけないんだ。

私は覚悟を決めて、一歩ずつ前へ足を進めた。



「女を相手にキレて、あんたも情けないな」



けど、真横を通り過ぎた1人の男性。

お兄ちゃんの取引先の人。

お兄ちゃんは私の腕を掴んでる。



「さっきから、あいつと言いお前と言い何なんだよ!」



「俺からしたら、お前が何だよ?女に意気がってだせぇんだよ――ッ!」



怒鳴り声と同時に、慎之介さんが殴り飛ばされる。



「「へ……?」」



私と光希ちゃんは目が点。

…何者なの……?

こんなにも強い人、初めて見る。

ただの一般人では、なさそう。
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