ボクは桜、キミは唄う
「ピアノ弾いてなかったら、歌ってる楓花を見つけたもん」
「じ、じゃあ音楽祭に私が欠席してたら?」
「6年で見つけた」
「6年も欠席だったら?」
「中学入って見つけた」
「でも、ピアノ弾いてない私は何もないもん」
柚木君はそんな私の言葉に、何言ってんの?って笑うと
「ピアノ弾いてなくったって、楓花って人間がいなくなるわけないじゃん」
って。
俺は“工藤楓花”が大好きなんだよって、いとも簡単に言い放った。
そして
「そんなことで不安になって泣いてるの?」
ばかだなぁって、笑い飛ばしてくれる。
けど、私の鞄から飛び出しているものを見つけると、表情を曇らせた。
「それより、俺の方が不安なんだけど」
言いながら指を差すのは、脩くんに貸していた辞書。
「信じてるけどさ、信じてるつもりだけど、でも、飯田先輩、なんでいつも楓花に辞書借りるの?」
「?…なんでだろ?」
「はぁ?」
「じ、じゃあ音楽祭に私が欠席してたら?」
「6年で見つけた」
「6年も欠席だったら?」
「中学入って見つけた」
「でも、ピアノ弾いてない私は何もないもん」
柚木君はそんな私の言葉に、何言ってんの?って笑うと
「ピアノ弾いてなくったって、楓花って人間がいなくなるわけないじゃん」
って。
俺は“工藤楓花”が大好きなんだよって、いとも簡単に言い放った。
そして
「そんなことで不安になって泣いてるの?」
ばかだなぁって、笑い飛ばしてくれる。
けど、私の鞄から飛び出しているものを見つけると、表情を曇らせた。
「それより、俺の方が不安なんだけど」
言いながら指を差すのは、脩くんに貸していた辞書。
「信じてるけどさ、信じてるつもりだけど、でも、飯田先輩、なんでいつも楓花に辞書借りるの?」
「?…なんでだろ?」
「はぁ?」