ボクは桜、キミは唄う
柚木君の家からの帰り道、私達は手を繋いで歩いた。

毎日部活が休みで、毎日こうして周りにからかわれる事なく、2人で手を繋いで歩けたらいいのに。

そう思った気持ちは私の心の中だけにしまう。

「テスト終わるまで部活休みだからさ、明日もまた一緒に帰ろ」

心の声が聞こえたかな?

「明日は……俺ん家で、一緒に勉強する?」

また、行ってもいいの?

「うん。じゃあ、ガリガリ君、今度は私が買うよ」

「買い食いはいけませんっ」

「えーっ」

「うそ。後で買って冷凍庫に冷やしておくよ。さっきの金払ってこなきゃなんないし」

気づけばもう私の家の前。

柚木君と歩く道のりはあっという間だ。

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