ボクは桜、キミは唄う
脩君はいろいろお見通しみたい。

「ムカつく!柚木も飯田先輩くらい敏感だったらこんな事にならないのに」

ナカちゃんはため息をつく。

「俺も気にかけて見とくからさ、楓ちゃんも気をつけて」

「うん。脩君、ありがとう」

「あー俺ならこんな風に悲しい思いさせないのになぁ」

脩君はそう言って、私をまたいつものようにギュッとしてきた。

「し、脩くんっ」

「先輩、そういうのも二股だとかって噂される原因なんですよ。もうみんなで楓花いじめないで下さい」

ナカちゃんは慌てて脩君と私を引き裂くように間に入る。

「えーダメ?じゃ、俺も本命入りできるように頑張るわ」

脩君はそう言って私達を、1年の教室のある階まで送るとニッコリ笑って戻って行った。




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